蚕糸・昆虫バイオテック
Online ISSN : 1884-7943
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ISSN-L : 1881-0551
75 巻 , 1 号
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特集
Originals
  • 清水 久仁光, 廣川 昌彦, 立松 謙一郎, 小瀬川 英一
    2006 年 75 巻 1 号 p. 33-36
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/07/03
    ジャーナル フリー
     新規突然変異の油蚕は保存系統No.110姫日(日本種・1化性)からみいだした。この油蚕は催青死卵がやや多い蛾区が見られ,幼虫の4~5齢期に至って少数ではあるが致死する個体を生ずるなど一般的に虚弱である。皮膚の透明度は中度である。この油蚕には正常蚕(非油蚕)が数%発現した。本油蚕について,遺伝子分析を行ったところ既知の油蚕とは異なる新遺伝子により発現される劣性遺伝子であった。これを姫日油(遺伝子記号,ohi)と命名した。次いで,連関検索を行った結果ohi遺伝子は第16連関群に所属することが判明したので,同群のlu ctsを基準に用いて3点実験を行い,その座位を第16連関群30.5cMと決定した。
  • 持田 裕司, 竹村 洋子, 松本 正江, 金勝 廉介, 木口 憲爾
    2006 年 75 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/07/03
    ジャーナル フリー
     実用蚕品種受精卵の2年間保存条件を検討した。清水ら(1994)の2年間保存法における6回の15℃1日間中間手入れのうち,最終の1回を10℃10日間に改めた「改良2年間保存法」を試案した。この方法で2年間保存をした交雑種は実用ふ化歩合65%程度で,飼育成績は対照としての1年間保存卵からふ化した個体と同等であった。原種の場合,改良2年間保存後のふ化率は対照区と比較して著しく低く,ふ化幼虫の雌雄比にも偏りが生じた。しかし,次代卵を再び2年間保存することを繰り返す継代は可能であり,多くの品種において継代のたびにふ化率は向上した。2年間保存により幼虫の飼育成績は低下するが,継代した卵を通常の1年間保存後にふ化させることで飼育成績を回復することが確かめられた。産卵台紙の間にスペーサーを挿入することで積極的に空気の流通空間を確保することは,ふ化率の改善に有効であった。
Technical report
  • 今西 重雄, 楊 春英, 木村 博保
    2006 年 75 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/07/03
    ジャーナル フリー
     カイコの培養細胞系を用いたバキュロウイルス遺伝子発現系の開発のため,無血清培地KBM700(特許申請中)で培養できるカイコ培養細胞株NIAS-Bm-Ke1(特許申請中)を樹立し,組換えウイルス(BmPTLNPV)が産生するルシフェラーゼ活性を指標として培養条件を明らかにした。KBM700培地はKe1細胞の増殖とBmPTLNPVの感染に適した無血清培地であり,さらにこの培地にカイコの熱処理体液を添加することによりウイルス感染の飛躍的な向上が示された。体液添加によるKe1細胞へのウイルスの感染効果はSf9細胞へのFBS添加よりも効果が認められた。Ke1細胞は浮遊性であるため,培養規模拡大に適した攪拌培養も可能であった。また体液をウイルス接種後24時間目に除去しても感染効果は大きく低下せず,その結果組換え遺伝子産物から体液を効果的に排除できることが示唆された。以上から新たに樹立されたカイコ培養細胞株NIAS-Bm-Ke1と無血清培地KBM700並びにカイコ熱処理体液を組み合わせた培養方法により,外来遺伝子の高発現が期待できるバキュロウイルス遺伝子発現システムを新規に開発した。
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