蚕糸・昆虫バイオテック
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77 巻 , 1 号
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特集「カイコ遺伝学特集」
Originals
  • 張 袁松, 清水 一彦, 塩見 邦博, 梶浦 善太, 中垣 雅雄
    2008 年 77 巻 1 号 p. 1_39-1_46
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/06
    ジャーナル フリー
     日本産ジョロウグモ(Nephila clavata)の牽引糸遺伝子のcDNAをクローニングし,その塩基配列を初めて報告した。塩基配列から推定される日本産ジョロウグモ牽引糸タンパク質のアミノ酸配列をカイコのフィブロインH鎖や他のクモ牽引糸のものと比較した。牽引糸の繰り返し配列においてAn,(GA)nやGGX配列など共通の特徴を確認できた。クモ牽引糸タンパク質の繰り返し配列のコドン使用頻度をカイコのH鎖フィブロインと比較すると,同様の傾向があった。しかしながら,親水性と疎水性の分布は両者で大きな違いが見られた。引張り強度試験では,日本産ジョロウグモ牽引糸がカイコ繭糸よりも明らかに強いことが分かった。これらのことから,クモ糸を吐くカイコを作出してカイコH鎖フィブロインをクモ牽引糸タンパク質と置き換えること,あるいは両者の混合糸を作らせることにより,糸の強さや性状の異なる新しいシルクの創出が期待される。
  • 李 玉順, 原 和二郎, 横山 岳, 蜷木 理
    2008 年 77 巻 1 号 p. 1_47-1_52
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/06
    ジャーナル フリー
     カイコの成虫は,通常羽化後1週間から10日程生存する。東京農工大で維持しているN251系統は,成虫の生存期間が極めて短く,羽化後4日以内ですべて死亡する。交配実験を行ったところ,本成虫短命形質を支配する遺伝子は,単一の劣性遺伝子で支配されていることが確認できた。そこでこの遺伝子を成虫短命遺伝子short lifespan in imagoと命名し,遺伝子記号をsliとし,原らの確立したcDNAリンケージグループの各標識遺伝子をプローブとした制限酵素断片長多型(RFLP)の分離による連関検索(scanning linkage analysis法)と座位決定を試みた。sliは第21cDNAリンケージグループ(RFLG21)に所属していることが判明した。2つの標識クローンm268とm497を用いて3点実験を行ったところ,3遺伝子の並び順はm268-sli-m497となり,本リンケージグループにおいて0.0であるm268からの距離を7.2cMと決定した。尚,即報のsdi遺伝子との関係については今後,追及する必要がある。
  • 道明 美保子, 今村 香菜江, 佐藤 友香, 清水 慶昭
    2008 年 77 巻 1 号 p. 1_53-1_57
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/06
    ジャーナル フリー
    ポピーの花弁の色素の絹への有効な染色方法を検討した。アントシアニン系色素は高温処理によって色素が不安定になり分解するが,精練のみの絹布では,染色時間の増加とともに染着量は増加し,染色温度の上昇とともに染着量が減少した。また,沸騰状態での染色では,色相の変化が大きく赤色よりとなった。一方,アニオン化前処理すると染着量は4~5倍に増加するとともに,染着量や色相に与える染色温度の影響は少なかった。より赤色を得るには絹布をアニオン化前処理し,30°C程度の低温で120分程度の染色が適していた。洗浄する場合,アルカリ性の脂肪酸石けんの使用を避け,中性ないし弱酸性の洗浄剤を使用すると,洗浄前後の染色物の色相の変化を少なくできた。絹布のアニオン化前処理により引き裂き強度は低下するが,摩擦強度は上昇した。精練のみの各種試験布に対するアントシアニン系色素のポピーの色素はタンパク質系繊維への染着性がよく,アニオン化処理によりセルロース系繊維への染着量が大きく増加した。
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