蚕糸・昆虫バイオテック
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77 巻 , 2 号
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特集「カイコのホルモン」
報文
  • 池嶋 智美, 常山 泉, 田中 幸夫, 蜷木 理, 原 和二郎
    2008 年 77 巻 2 号 p. 2_145-2_151
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
     ESTcDNAクローンのRFLPをマーカーに用いて,限性形蚕系統の付着染色体部分の識別同定ができるか否かを検討した。供試した2つの限性形蚕系統のうち旧限性形蚕系統W3aでは,第2連関群(=RFLG19)のクローンe61およびm113を用いた場合において,雌に雄には認められない共通のバンドが得られた。一方,新限性形蚕系統W73においては,これらのマーカーを用いても雌のみに検出されるバンドは認められなかった。また,第2連関群上の他のクローンを用いた場合では,W3a,W73ともに雌雄のバンドに差異は認められなかった。これらのことから,W3aの付着染色体にはe61-113領域が含まれることが明らかとなった。また,両系統の付着染色体の領域の違いから,付着染色体断片の長さも異なることが示唆された。
テクニカルレポート
  • 代田 丈志, 阿相 敏雄
    2008 年 77 巻 2 号 p. 2_153-2_158
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
     繭糸繊度に特徴のある蚕品種を育成する目的で,中国種の原種2系統を用いて繭糸繊度の遺伝解析と選抜法を検討した。その結果,(1)繭糸繊度とその他の計量形質の関係は繭層重および繭層歩合との間に正の相関があり,繭糸長との間に負の相関が認められた。(2)雑種強勢率は収繭量および繭層重,繭糸量で高くみられ,繭糸繊度では低く,繭重および繭層歩合,繭糸長については中間的であった。
     両親の平均値をもとにF1,F2およびBF1の繭糸長と繭糸繊度の推定を行ったところ,繭糸長と繭糸繊度の実測値と両親の平均値が大きく異なることはなかった。このことから,計算による推定法の有用性が確かめられた。また,粒内繊度偏差も両親の中間的な曲線を示すことも判明した。
     以上の結果から,近年における蚕種製造業者,養蚕業者ならびに製糸業者の要求に応えるためには育成方針にしたがって,繊度を細く,繭糸長を長くする方向で選抜を可能にする見通しが得られた。これに伴う結果として軽くなった収繭量などの計量形質は,雑種強勢によって補う方策が有益であると考察された。
  • 代田 丈志, 阿相 敏雄, 持田 裕司, 石井 正市, 大井 秀夫
    2008 年 77 巻 2 号 p. 2_159-2_165
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
     前報(代田・阿相,2008)で得られた知見に基づき,繭糸繊度に特徴のある品種の選抜を行った。蚕業技術研究所保有の材料の中から候補6系統を選び,系統分離法による蛾区選抜と個体選抜を9年間で25代実施した。その結果,日本種の交雑原種N12・N52と中国種の交雑原種C32・C66が選出された。それらを組み合わせた四元交雑種の性状を調べた結果,収繭量多く,繭糸長く,繭糸繊度が細く,育種目標に合致した良好な成績を示した。特に粒内繊度偏差は極めて小さく,産卵性も優れ業界の要望に沿った品種であることが認められ,実用に提供された。
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