蚕糸・昆虫バイオテック
Online ISSN : 1884-7943
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78 巻 , 2_3 号
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特集:シンポジウム「カイコゲノム情報の今後の展開」
報文
  • 池田 真琴, 白井 孝治, 金勝 廉介, 三浦 幹彦, EDWARDS JOHN, 木口 憲爾
    2009 年 78 巻 2_3 号 p. 2_3_141-2_3_149
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
     カイコの繭形形成機構を解明することを目的として,熟蚕の体節運動を制約する「テーピング」という手段を考案し,テーピングしたカイコの吐糸・営繭行動を三次元画像解析の手法を用いて解析した。その結果,テーピングによる体節運動の制約は吐糸を阻害しなかった。テーピングした体節が前方であるほど繭の形は大型の球形になり,後方であるほどやや細長くなった。また,テーピングの幅が太いほど影響が大きかった。三次元画像解析は,無処理の対照個体と,第5体節,第9体節にテーピングした個体で行い相互に比較した。その結果,テーピングの影響は,吐糸速度,吐糸領域,方向転換および押し広げ行動など様々な行動に及んだが,最も大きな影響が認められたのは吐糸姿勢,とりわけ頭胸部を後ろに反り返らせる行動であった。すなわち,第5体節にテーピングすると,頭胸部の反り返り角度が大きく抑制されることがわかった。これらの結果および前報で得られた結果から,繭の形状を決定する最大の要因は吐糸姿勢,とくに反り返り行動であることが示唆された。
  • 原 和二郎, 永易 健一, 常山 泉, 池嶋 智美, 鶴井 裕治, 飯田 のり子, 田中 幸夫
    2009 年 78 巻 2_3 号 p. 2_3_151-2_3_159
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    カイコの繭は様々な色があり,その遺伝解析は必ずしも簡単ではない。今回は緑繭一号として実用に供されている品種の,繭色の解析を行った。
    まずこの繭の色の解析を行うのに,自然光,蛍光灯に加えて紫外線による励起光の観察にブラックライトを用いると,この繭の色は黄緑の色と黄色の蛍光色からなることが分かった。対照として白繭で蛍光色が励起されないRF02を交配すると,F1では緑色も蛍光色も観察できこれらは優性の形質と思われた。次にF1にRF02の戻し交雑をおこなうと,その後代のBF1ではこれら可視光による緑色と,紫外線により励起された黄色の蛍光色二つは,独立の遺伝子支配によることが明らかとなった。すなわち四つの形質に分離した。
    そこでこれらの形質の連関検索と座位決定をcDNAクローンのRFLPをマーカーとして行うと,黄緑の繭色の支配遺伝子はRFLG5のm72から5.4cMにあり,蛍光色の支配遺伝子はRFLG20のe96から7.5cMにあることが分かった。
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