蚕糸・昆虫バイオテック
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80 巻, 1 号
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特集:クワノ研究最前線
報文
  • 中島 健一, 木下 晴夫, 三浦 幹彦
    2011 年 80 巻 1 号 p. 1_53-1_58
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/05/30
    ジャーナル フリー
    現在の日本の製糸業では,従来の製品と異なった製品を求める消費者の要求に応えるため,細繊度・太繊度繭を用いて極細・極太生糸の繰製が試みられている。そこで本研究では,どのような製品が消費者に好まれるのかを調査するため,極細・極太生糸それぞれから作製した薄地・厚地織物について官能検査と織物の風合いの比較検討を行った。
    極細繊度繭“はくぎん”を用いて10dの生糸を繰製し,この生糸を緯糸・経糸に用いて薄地織物を製織した。また,太繊度繭“ありあけ”を用いて100dの生糸を繰製し,この生糸を緯糸・経糸に用いて厚地織物を製織した。それぞれの織物と対照区として,JIS L 0803の染色堅ろう度試験用添付絹白布(以下,添付絹白布という)について官能検査を行ったところ,「柔らかさ」,「滑らかさ」,「光沢」,「好き」の項目で高い有意差が認められ,総合的には薄地織物が最も好ましいと判断された。また,性別や年代別で官能評価に違いがあることが確認された。
    織物の風合い値については,極細繊度繭“はくぎん”を用いた織物が最もKOSHI,HARIの値が小さく,SHINAYAKASAの値が大きいため,柔らかい織物であることが分かる。官能検査の結果と照らし合わせると,一般に柔らかく,滑らかで,光沢のある薄地織物が好まれるという結果が得られた。
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