蚕糸・昆虫バイオテック
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ISSN-L : 1881-0551
83 巻 , 3 号
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特集「カメムシ目昆虫の多様な共生微生物」
昆虫実験マニュアル
報文
  • 小瀬川 英一, 小林 始, 三澤 利彦
    2014 年 83 巻 3 号 p. 3_273-3_276
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/04/03
    ジャーナル フリー
    塩酸処理に耐性のあるカイコの産卵台紙を開発した。紙をラックカイガラムシ由来のシェラックを利用して加工することにより,塩酸耐性を付与することができた。加工手順としては,市販の紙をシェラックのエタノール溶液(30g/L)に浸して乾燥させ,その後ドライオーブンで140°C,30分の熱処理を行うことにより,塩酸耐性のある紙が得られた。
  • 野澤 瑞佳, 代田 丈志
    2014 年 83 巻 3 号 p. 3_277-3_281
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/04/03
    ジャーナル フリー
     2003年に,茨城県南地域の養蚕現場を対象に,カイコ核多角体病ウイルス(BmNPV)の分布状況を調査した。ウイルスの検出方法は,2齢起蚕と人工飼料を用いた常法の塵埃添食試験法で行った。塵埃の採集地点は,上蔟室,蚕室,貯桑場および母屋の玄関前とした。春蚕期の消毒作業が始まる直前に,BmNPVの分布状況を13か所の養蚕現場で調べた結果,上蔟室からウイルスが検出される養蚕現場が8か所と多かった。同じ調査を春,夏,初秋および晩秋蚕期の収繭直後に行ったところ,春蚕期開始前の調査と同様に,上蔟室からBmNPVが検出される養蚕現場が多かった。これらの結果から,養蚕現場では上蔟室がBmNPVに汚染されやすい場所であると推定した。また,2013年の晩秋蚕期に,常習違作を繰り返す栃木県下の一養蚕現場から塵埃を採集し,塵埃添食試験法でBmNPVの分布状況を調べたところ,上族室が最もウイルスに汚染されていた。以上の結果から,既存の養蚕現場では,BmNPVに汚染されやすい上蔟室内の防疫管理を徹底することが本ウイルス防除に必要であると考察した。
  • 池嶋 智美, 常山 泉, 大沼 昭夫, 蜷木 理, 原 和二郎
    2014 年 83 巻 3 号 p. 3_283-3_288
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/04/03
    ジャーナル フリー
     カイコの分子遺伝地図のEST-cDNAクローン(以下,クローン)をプローブに用いて,サザンブロッティングハイブリダイゼーションによるRFLP解析を行い,プラチナボーイの素材となった新しい平衡致死系蚕品種BLのW染色体に付着しているとされる2つの染色体断片の識別同定ができるか否かを検討した。初めに,Z染色体断片が付着していることを調べるために,RFLG1(第1連関群対応)のクローンを用いて解析したところ,クローンm47を用いた場合にのみ,供試したすべての雌から2コピー分のバンドが検出された。このことから,BLのW染色体には,クローンm47を含むZ染色体断片が付着していることが明らかになった。次に,もう1つの付着染色体である第2染色体断片を識別同定するために,RFLG19(第2連関群対応)のクローンを用いて解析した。その結果,いずれのクローンを用いても雌でのみ検出されるバンドは認められず,第2染色体付着断片を識別することはできなかった。以上の結果から,蚕品種BLではクローンm47を用いたRFLP解析によってZ染色体付着断片を識別同定できることが明らかになり,またこのクローンを利用して同品種の同定が可能であることが示唆された。
  • 野澤 瑞佳
    2014 年 83 巻 3 号 p. 3_289-3_294
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/04/03
    ジャーナル フリー
    BmNPVによる収繭機の汚染状況を確認するために,PCRの応用を検討した。これまで報告されたBmNPV検出用プライマーは,AcNPVとの相同性が極めて高いため,BmNPVに特異性のあるプライマーをBp39遺伝子領域から設計した。茨城県下の養蚕現場から分離したBmNPVを用いてプライマーの検出感度とPCRの再現性を検証した結果,PCRの段階では,反応溶液20μlあたり多角体102個に由来するウイルスDNA量が再現性のある検出限界であった。更にPCR増幅産物を用いてnested-PCRを行った結果,多角体1粒に由来するウイルスDNAからも再現性のある検出が可能となった。確立したPCRの手法と滅菌ガーゼを用いる試料採取法により,茨城県下の養蚕現場に設置されていた各収繭機からBmNPVの検出を試みた結果,nested-PCRの採用によりウイルスの汚染が識別可能であった。養蚕現場では,収繭機もBmNPVで汚染されるため,防疫対策上の配慮が必要であると考えられた。
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