蚕糸・昆虫バイオテック
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84 巻 , 3 号
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特集「昆虫の生体防御メカニズムのトピックス」
報文
  • 岩野 秀俊, 川上 紗代子, 山本 裕一, 志賀野 倫明, Tran Van Hai, 畠山 吉則
    2015 年 84 巻 3 号 p. 3_237-3_243
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/05/06
    ジャーナル フリー
    2007年3月にベトナム南部に産するハスモンヨトウにおける微胞子虫の感染調査を行った。捕獲成虫から分離された微胞子虫株からハスモンヨトウ幼虫に強感染性を示す12株を選抜し,SSU rRNAの配列解析によってそのうちの一株(No.16株)はN. bombycisと同系統であると判定した。本研究では,この株を供試して,宿主昆虫の違いによる感染性の差異を解明することを目的として,ハスモンヨトウ幼虫,カイコ幼虫ならびにS. frugiperda由来培養細胞(Sf 9細胞),カイコ由来培養細胞(BmN4細胞)における感染増殖機構の比較検討を行った。No.16株はハスモンヨトウ幼虫体内およびSf 9細胞内において感染と増殖を繰り返したが,カイコ幼虫体内およびBmN4細胞内では感染成立後に発育停止を起こすため,増殖しないことが明らかとなった。また,No.16株はNosema属微胞子虫の発育形態を示すことが観察された。これらのことから,No.16株が示す感染性の相違には各昆虫体内に侵入後の発育継続の可否が関係しているということが示唆された。さらに,既知報告による遺伝子配列解析の結果および今回の生活環観察の結果から,No.16株はN. bombycisのカイコに対する無毒系統であることが示唆された。また,No.16株はハスモンヨトウに感染性を示し,カイコに非感染性を示す宿主特異性を有することから,ハスモンヨトウに対する微生物防除資材として利用できる可能性も考えられた。
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