コンピュータ&エデュケーション
Online ISSN : 2188-6962
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16 巻
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
特集 ブロードバンドによる地域戦略
活用事例
論文
  • ―交流学習を通した作品づくり―
    巖淵 守, 簑島 隆, 池田 明子, 河野 真治, 山本 透
    2004 年 16 巻 p. 51-59
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,中学生と幼稚園児という年齢の離れた子ども達が交流する中で,中学生が園児にとって楽しく,生活に役立つ情報技術について考え,それをソフトウェア作品としてつくり出す教育活動が検討された。中学生にとって,年齢の大きく異なる園児への作品づくりは容易ではなかったものの,交流を通して,自分達が求められる身近な存在になったことで,中学生の活動に対する積極的な参加が促され,情報技術に対する視点もより幅広いものへと変化した。また,本研究の活動を通じて,作品に対する満足度,園児の生活への有用性,計画的に作業を進める能力に対する評価が,中学生の間で向上する傾向が見られた。その一方で,園児に対する作品の楽しさや園児の理解に関する評価は変動し,中学生が試行錯誤しながら活動を続けていた面もうかがわれた。従来の情報に関する授業との違いについては,決められたことをするのではなく,自ら考えて制作することができたという主旨の感想が多く寄せられ,中学生がそれぞれに創意・工夫しながら活動に参加していたことが示された。
  • 藤井 康寿, 加藤 大典, 青木 宏樹, 中川 建治, 加藤 喜久
    2004 年 16 巻 p. 60-68
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,等断面棒(円・楕円・正三角形断面)のSaint-Venantのねじり問題の解をWBT(Web-based Training)形式で表示する教材を開発した。開発したWBTソフトは,教科書・問題演習・Web 3Dの3種類の教材で構成されていて,相互に連携できるようなシステムとなっている。これらの教材は,断面の境界条件を満足する複素解析関数(応力関数)に基づいて,断面の変形や応力分布を計算して図示するまでの課程が学習できるようになっている。しかしさらなる特徴は,この教材に対する第3者の評価を把握して教育効果を改善する手段として,Webサーバーを介したアンケートを実施して工学教育の可能性を検討し得ることも可能なようにしてあることである。
  • 筒井 洋一
    2004 年 16 巻 p. 69-77
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,大学教育の変容の中で,e-Learningを活用したNPO教育の特徴を検証したものである。近年,技術的な発展によって,e-Learningは,社会人学生から,研究大学の学生にまで爆発的な普及を始めている。一方で,大学もユニバーサル化する中で,社会的価値を創出するリカレント教育の一つとしてNPO教育を取り入れ始めている。本稿は,このような技術的な発展と大学の変容とが重なり合ってきた現状を背景にして,大学教育の中で,e-Learningを活用したNPO教育が与える影響について分析している。結論として,e-Learningを活用したNPO教育は,大学教育の内容や方法の変容をもたらすだけでなく,大学を中心とした新しい学習共同体をも創り出すことを指摘する。
  • ―Visual BasicからC言語への移行と継続的効果について―
    三河 佳紀
    2004 年 16 巻 p. 78-87
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    著者らは昨年度から,Visual Basicを用いた導入時プログラミング教育の改善を試みている。この試みは,プログラミングを不得手とする学生を減少させることを目的に行っている。学年進行に伴い,低学年での3年間をこのプロジェクトの1つの区切りとしている。初年度ではプログラミング教育の改善による効果が幾つか得られており,これらについては既に報告済みである。今年度は第2学年に対して,使用言語をBasic言語からC言語に変更し改善教育を実践した。その結果,プログラミング教育における初年度からの顕著な継続的効果が確認された。本稿では,継続的に実践している改善方法とその効果を報告する。
  • 藤本 貴之, 松尾 徳朗
    2004 年 16 巻 p. 88-94
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    学校教育において選択科目は,学生(受講希望者)のモチベーションや学習意欲に大きく影響を及ぼすという点において,極めて大きな役割と可能性を有している。選択科目とは「学生の嗜好性を反映させる」ために設けられているものの,様々な制約上,それが十分に考慮されているとは言いがたい。そればかりか,「学生の嗜好性を反映させるためのシステムにもかかわらず,かえって学生の学習意欲を減退させる」というパラドクスさえ内包している。本論文では,選択科目のクラス編成手法の重要性に着目し,従来,機械的な公平性の元になされてきたクラス編成手法の問題点を指摘する。そこから,学生の嗜好性を考慮できる「多属性効用理論に基づくクラス編成手法」を提案する。本論文において提案するクラス編成手法は,シミュレーション実験の結果,従来と比べ優位性を証明することができた。また。本提案に基づき,クラス編成支援システムのプロトタイプを構築した。
  • 中野 秀子, 奥田 裕司, Rodger Williamson
    2004 年 16 巻 p. 95-101
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    英語音声においてリズムやイントネーションなどの超分節音素は,英語を話す上で重要な役割を果たしているが,日本語は英語とはリズムの特徴がかなり異なるので,日本人英語学習者にとっては習得が困難な要素の1つになっている。従来,英語リズムパターン学習教材はテキスト(文字)とアナログ音声による教材が主であったが,本研究では従来型の物に様々な視覚および聴覚効果を加えることが可能なデジタル化された教材を製作し,コンピュータ上で英語リズムをどのような視覚・聴覚効果で提示するとより高い学習効果を上げることができるのかを検証した。英語リズムパターン学習における視覚・聴覚効果の有効性を調べ,英語学習教材開発における視覚・聴覚効果の有り方について論じた。
  • 林 敏浩, 林田 行雄
    2004 年 16 巻 p. 102-107
    発行日: 2004/06/01
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    計算機の動作の深い理解にはハードウェアとソフトウェアの知識が必要になる。ハードウェアについて,構成する装置は一般にブラックボックス化されており,動作や内部状態を直接的に観察できない。この問題点を解決するために,ソフトウェアシミュレータが利用される場合がある。本稿は,計算機の制御装置を実現するマイクロプログラムを学習するための仮想計算機シミュレータVCOMの試作について報告する。VCOMは,マイクロプログラムを格納する制御記憶と制御信号を中心にハードウェアを可視化した計算機シミュレータである。本論文は,VCOMの設計・実装,システムの特徴,および講義での利用について報告する。
編集後記
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