コンピュータ&エデュケーション
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2 巻
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
特集 「学習者中心のデザイン」の実際
コンピュータと教育・研究 活用事例
論文発表
  • 渡辺 健次, 角田 佳隆, 尾久土 正己
    1997 年 2 巻 p. 46-52
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    天文は学校で教え難い分野の1 つと言われている。その原因の1 つとして、学校で天体観測を行うことが難しいことが挙げられる。インターネットは、学校と社会教育施設を結ぶ、新しい教育システムとして機能する。我々はインターネットを利用して、天文台から学校へリアルタイムの天体映像を送ることで、天文教育の教え難さを克服できると考えている。我々はまず天文現象をインターネットに生中継する試みを行い、リアルタイムの天体映像の教育利用に関する評価を行った。さらに、実際に天文台からのリアルタイムの天体の映像を、中学校の理科の授業で利用する実践を行った。授業では、インターネットを介して金星の映像を見ることで、金星の満ち欠けについての学習を行った。学習後、リアルタイムの天体映像を見たことで、多くの生徒が天文について興味を持ち、学習意欲が高まった。本論文ではインターネットによるリアルタイムの天体映像を天文教育で利用する利点について考察し、我々が行なった実践について述べるとともに、実践を通して検証したことについて考察する。
  • ~テレビ会議システムを使った遠隔協同学習の報告~
    奥山 賢一
    1997 年 2 巻 p. 53-57
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    これからの情報化社会での学校教育を考えるとき、ネットワーク利用の授業を行っていく必要が出てくる。ネットワーク利用もブラウザの違いによって様々考えられる。ここでは、face to faceで、2地点間の遠隔地をテレビ会議システムで結んだ遠隔協同学習について紹介し、日本における遠隔協同学習の見通しを考えていく。
  • 五十嵐 智
    1997 年 2 巻 p. 58-63
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    今後の情報化社会では、正しく事実や状況を伝える能力、明確に自分の意見や疑問を述べる能力、筋の通った議論によって他者を説得する能力など、言葉を仲立ちとした他者とのコミュニケーションの能力が重要となってこよう。本論文ではそのようなコミュニケーション能力を訓練する目的で行ったコンピュータリテラシ教育の実践例を報告する。この科目では、ネットワーク環境のもとでのコンピュータの操作法や電子文房具としての使い方を習得させるとともに、コミュニケーション能力を身に付けさせることを目標にしている。学生にはレポートの書き方、他者とのコミュニケーション技法や討論技法を身に付けさせるための課題を与えている。本論文ではコンピュータリテラシ教育に対する基本的な考え方とその具体的な実施内容について述べる。
  • 松八重 竹志
    1997 年 2 巻 p. 64-74
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    学校の一斉学習の中で個別に進度や出来具合などみるのは時間的にも制約があり、なかなか困難である。そこで、個別化の中でも治療モデル(The Remedial Model:下位学習を補う)に関して5択式のCAI(コンピュータ支援学習ソフト)の作成を企て、合わせて制作過程もみていく。また、個別に適切なフィードバックをすることや択一式と記述式の違い、学習履歴等の資料収集をどう使用するかなども踏まえ、活用に関しても考えていきたい。
  • 徐 丙鉄
    1997 年 2 巻 p. 75-78
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    物理学を学習する上で、数学は武器でもあるが障害ともなる。また、文字と静止画のみの教科書では伝えにくい知識もある。数式処理ソフトを利用すれば数学的障害を低下できるであろうし、またマルチメディア・プレーヤでもあるパソコンを利用すれば、動画、音声を取り込んだ電子テキストで学習することができる。このようなテキストを著者はライブ・テキストと呼んでいる。汎用数式処理ソフト:Mathematica は、微分方程式を解きそれを動画表示したり、与えられた関数を音声として再生する機能をもつので、そのようなマルチメディア・テキストを製作するのに適したツールである。これを用いて大学初年級の物理入門テキストを製作したので紹介したい。
  • 井上 倫夫, 介中 敦子, 川村 尚生, 小林 康浩, 中島 健二
    1997 年 2 巻 p. 79-84
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)は全身の筋肉が次々に萎縮していく進行性の難病である。末期においては感覚機能は保持されるが、全身の随意筋が機能しなくなる。本報告は、事象関連脳電位(ERP)を用いて、そのようなALS患者とコミュニケーションを行う方法について述べている。ERPは、単語を弁別している時に観測される。ここでは、視覚刺激として25の単語を利用し、各単語をランダムの順に選びCRTのスクリーンの任意の位置に300ms表示する。提示周期は500msである。被験者は伝えたい単語(目標刺激)に意識を集中するために、その単語の出現回数をカウントしていく。このとき観測されたERP波形を、フィルター処理し、項目ごとにアベレージングすることによって目標刺激に対するP300成分を得る事ができる。このP300成分の有無によって、何ら肉体的動作がなくても被験者の意図している項目を判別できる。
  • 榊原 正明, 高見 和邦, 立花 良一
    1997 年 2 巻 p. 85-89
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    定性分析実験の内容をどの程度理解しているのか確認するための学習プログラムを作成した。そのプログラムは実験で使用する試薬を選択して答える形式のものであり、間違えた場合にはヒントを表示する。本論文では、学習プログラムの内容と実施した結果(誤答分析)と実施後のアンケートについて紹介する。
  • 野口 旭
    1997 年 2 巻 p. 90-95
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、インターネットを大学教育、とりわけゼミナール教育でどう利用すべきかに関して、一つの問題提起を行うことである。具体的には、日本の大学では通常ゼミナールという場で別々に行われるれているようなグループ討論を、複数の大学における複数のゼミナールを含む形でインターネット上に拡張していこうという提案を行う。そのような試みは、現状のWWWの機能を利用すれば簡単に実現することができるし、部分的にはすでに実現されている。インターネットは、情報の双方向的かつ多角的な発信と受信を可能にしたが、この提案はそのインターネットの特質にきわめてかなった利用法であると考えられる。それはまた、大学内の活動を社会に知らせる最も効率的な手段となりうるようにも思われる。
編集後記
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