コンピュータ&エデュケーション
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29 巻
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特集 小学校外国語(英語)活動必修化に向けてICTが果たす役割
  • カレイラ松崎 順子, 執行 智子, 下田 康信, 坂元 昻
    2010 年 29 巻 p. 12-17
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    本研究はLeapFrog社のTag Reading Systemという音の出る英語の絵本を東京の小学校の外国語活動において使用し,その効果を調べた。その結果,以下のような3点が明らかになった。第一に,英語を読むことに対する態度や意欲が本実験によりどのように変化したかを調べるため,対応のあるt検定を行った結果,有意な差は見られなかった。ゆえに,Tag Reading Systemを使った活動は児童が英語を読もうとする意欲を高めることには効果が見られなかったといえるであろう。第二に,絵本に出てくる語彙に対して対応のあるt検定を行った結果,10問中6問の項目において事後のほうが有意に高い得点を示しており,Tag Reading Systemを使った活動は,児童の語彙力を高めるのに効果が見られた。第三に,χ2検定を行った結果,児童はTag Reading Systemを使った活動を楽しいと感じており,これからもTag Reading Systemを使った活動を行いたいと思っていることが明らかになった。
  • ―メタ認知力を育てる動詞アニメーション教材の開発をとおして―
    柏木 賀津子
    2010 年 29 巻 p. 18-23
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    小学校5年生の子どもが小学校外国語活動で英語のインプットに触れた場合,どの程度その音声形式と意味の繋がり(FMCs)に気づいているのかを,動詞フレーズに焦点をあてて研究を進めた。その際,子どものFMCsの様子を観察するツールとして,また動詞導入の教材として,コンピュータによるアニメーション教材:「キャロット先生のVerbs 20」の開発を行った。授業をとおして,子どもはある程度の動詞フレーズのFMCsに成功していることが分かった。しかし,子ども個々によっては,理解度にかなりの違いがみられた。本稿では,FMCsの研究結果とともに,英語活動におけるICT教材活用の可能性についても報告する。
  • ―小中連携における課題解決の鍵として―
    高見 砂千
    2010 年 29 巻 p. 24-29
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    平成23年度の小学校外国語活動必修化に向けて,小学校外国語活動と中学校英語科との小中連携が全国で推進されている。しかし,先行研究によって,校種間の共通理解の深化のために必要な物理的条件が必ずしも整備されていないことが指摘されている。筆者は,ICTの活用が課題解決の有効な手法であると考え,在籍中学校区の小中連携推進担当として小中連携体制の制度設計を行った。設計の援用理論としてはソーシャル・キャピタル論を採用した。1年半にわたる実践の結果,ICTを効果的に活用すれば,実際に共有できる機会が短時間であっても,小中学校の指導者間ネットワークの充実,参加者の共通理解と意識の向上,成果物の社会的還元を効果的に促進できること,すなわち,ICTの活用が物理的制約を解消し,小中連携における校種間のソーシャル・キャピタル構築を推進する重要な鍵となることが明らかとなった。
  • ―私立小学校での実践から―
    田縁 眞弓
    2010 年 29 巻 p. 30-35
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    2006年に開校した私立小学校において,電子黒板をはじめとするICT機器がどのような形で英語の授業に活用されてきたかをその理論的背景と具体的な実践例とともに述べる。2011年より日本中の公立小学校において,5,6年生を対象に小学校外国語(英語)活動が全面実施されることがすでに決定している中,指導時数,指導体制,その指導目標などに公立小学校と大きな違いはあるものの,対象が同じ学齢の小学生であることや小学校の教室で行われた実践であることから,今後小学校での英語指導の場で生かせるICT機器の共通した活用の可能性を探る。
  • 横川 博一, 福智 佳代子, 生馬 裕子, 真崎 克彦
    2010 年 29 巻 p. 36-41
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,小学校外国語活動における電子黒板やPowerPoint,FlashソフトウェアなどのICT教材の意義と可能性について論じようとするものである。ICT教材を効果的に活用することによって,英語の指導に不慣れであったり不安を感じている担任教師の助力になり,児童のコミュニケーション能力や学習意欲を高めることが可能となる。
活用事例
論文
  • 伊藤 貴一, 熊坂 賢次, 諏訪 正樹, 花房 真理子
    2010 年 29 巻 p. 80-85
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    『Hipparu-McS』という新しいテキストマイニングツールを開発した。この開発目的は,ユーザがテキストマイニングを利用するうえで本来は不可欠なコンセプトであるはずの「自己探求と柔らかい構造化」が,従来型ツールでは十分に支援できていないという問題を解決するためである。本論文は,Hipparu-McSの実装と実験を通して,実際に当該ツールが,ユーザに多くの気づき(メタ認知)と多様な解釈可能性を誘発する機能をもち,従来のツールとは違い,テキストマイニングの本質である「自己探求と柔らかい構造化」を実現するユニークなツールであることを実証したものである。
  • 片平 昌幸, 中村 彰
    2010 年 29 巻 p. 86-91
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    入学生のICT技能の格差が解消された平成20年から準備をして,我々の担当する情報処理の授業の到達目標の再構築を試みた。平成21年度と22年度の授業実践を経て,自らの授業を客観的に評価するため,各種の統計学的手法により,1)実技を含む入学生のICT素養の調査を行って母集団の特徴を把握し,2)到達目標に掲げた技量の学習効果を客観的に評価した。その結果,1)入学生の母集団の特徴が「Office周辺ソフトウェアの知識と技能」と「計算機やネットワークの知識と技能」を2軸とする散布図により表現できること,2)到達目標に掲げている全ての範疇の知識と技能において履修後の向上が確認された。しかし,課題も同時に明確になった。即ち,3)「文字コード」や「メイルヘッダー解析」など,いくつかの項目にあっては及第点に達しないものがあった。
編集後記
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