近年,校務が電子化・情報化されている一方で,教員が児童生徒や保護者の個人情報を漏洩する事故も頻発している。学校が情報セキュリティ対策をどう行っていくかは急務であるが,情報セキュリティリスクへの対策においては,「気をつけていれば大丈夫だろう」と他人事に終始してしまうといった課題が挙げられる。
そこで本研究では,ヒューマンエラー対策のm-SHELモデルを援用し,「学校の情報セキュリティリスクへの自覚」をテーマとした研修教材を開発し,実践を行った。受講した教員を対象としたアンケート調査の結果をt検定により検証したところ,個人情報漏洩の当事者に感じる過失の割合と,「自分もやってしまうかもしれない」と感じる割合について,有意に差が見られた。
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