コンピュータ&エデュケーション
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最新号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
INTERVIEW 「つくることで学ぶ」
特集「ICT でひろがる新しい探究学習のとりくみ」
研究論文
  • 金丸 喜紀, 日髙 徳大, 小林 博典
    2025 年59 巻 p. 34-39
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究は,到達度チェック問題と振り返りシートを活用した単元内自由進度学習が,児童の学習方略に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。授業実践にあたっては,インストラクショナルデザイン(以下ID)理論のガニェの9教授事象の枠組みによる授業設計を行い,児童が自分自身の学習の進捗状況や学習に対する理解状況を確認できるようにした。結果,児童は,自らの学び方を追求し,学習方略を試行錯誤しながら柔軟に工夫したり,より良い方法を目指しながら改善したりするなど,自分にとって最適な学び方で学習を進められるようになる可能性が示唆された。

  • 板垣 翔大, 佐藤 至, 堀田 龍也
    2025 年59 巻 p. 40-45
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     板書における水平な横書きを支援するスマートグラスアプリケーションを開発した。スマートグラスのディスプレイを通して黒板を見た際に,加速度センサの値に基づいて,常に水平を保ったガイドとなる線が表示される。その線にあわせて板書することで,傾きや曲がりを抑制するものである。有用性を評価した結果,万人にとって有効な支援とはいえないことがうかがえたが,水平に板書するスキルを有していない者に対しては,本アプリケーションが水平に板書する支援になっていたことが示唆された。

  • 谷田 親彦, 横関 匠之佐, 山下 大吾
    2025 年59 巻 p. 46-51
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究では,大学入学共通テストに導入された「情報Ⅰ」の初実施に対する高等学校の指導や対策,受験生の学習などを把握するとともに,それらが「情報Ⅰ」の得点に影響しているかを検討する。5つの大学に所属する令和7(2025)年4月入学の大学1年生634人に調査を行った。その結果,高等学校では3年生時に学校設定科目や教育課程外での補習などで「情報Ⅰ」の対策をしていると推察された。また,高等学校では「情報Ⅰ」の受験を視野に入れて,講義形式の指導や対策を強化していると考えられた。「情報Ⅰ」の対策場所・方法と時間に関する回答から,主には学校の授業等や家庭で学習しているが,約3割の受験生が継続的な対策をしていなかった。さらに,継続的な対策及び対策時間の長さ,対策場所・方法,使用する教材は,「情報Ⅰ」の得点と関係していないことがわかった。

  • 可知 穂高
    2025 年59 巻 p. 52-57
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究では,実際にパソコンを解体し組み立てるという活動が,高校生のパソコンに対する「内部のイメージ度合い」,「抵抗感」,「心理的な距離感」にどのような影響を与えるのかについて検討した。調査と分析では,条件Y群(解体し組み立てる)と条件Z群(内部のイラストを見る)に分け,事前・事後に対し群内・群間比較を行った。その結果,群内比較では,両群において内部イメージが具体化したが,条件Y群においては抵抗感や心理的距離感も上昇した。また,変化量を用いた群間比較では,「抵抗感」で差が確認され,ここには条件Y群での否定的な変化があったと推察された。以上から,どちらの方法でも高校生のパソコン内部に対するイメージを具体化するのに一定の効果がある一方で,生徒にパソコンの内部を直接提示する場合は,パソコンに対する抵抗感をむしろ強める可能性があることを踏まえた指導が必要であるとの示唆が得られた。

  • 三井 一希, 板垣 翔大, 大久保 紀一朗, 佐藤 和紀, 泰山 裕, 三井 さや花, 堀田 龍也
    2025 年59 巻 p. 58-63
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究は生成AIによるフィードバックを児童はどのように受け止めるのかを検討するために,児童が毎時間の授業後に書いた学習の振り返りに対して教師によるフィードバックと生成AIによるフィードバックを与え,その受け止めの違いを質問紙で調査した。結果,調査対象者全体で見ると生成AIによるフィードバックは,教師によるフィードバックと同等の印象を児童に与えられる可能性が示唆された。一方,学力群別に見ると,高学力群の児童は生成AIによるフィードバックよりも教師によるフィードバックを好む傾向があり,低学力群の児童は生成AIによるフィードバックと教師によるフィードバックはどちらも同じくらいに好む傾向があることが示された。生成AIによるフィードバックは,使う場面によっては教師によるフィードバックの代替となり得る可能性が示唆された。

  • 酒井 郷平, 蒔田 悠
    2025 年59 巻 p. 64-69
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究は,小学校における児童の学級雰囲気認識とGIGA端末の不適切利用との関連を探索的に検討することを目的とした。GIGAスクール構想により1人1台端末環境が整備され,学習の個別最適化や協働学習の促進が期待される一方で,学習と無関係な利用や端末の破損といった課題も指摘されている。これらの問題は,児童個人の情報モラル意識に加え,学級という集団における規範や雰囲気と関連している可能性がある。そこで本研究では,小学校4~6年生126名を対象に質問紙調査を実施し,児童の学級雰囲気認識と端末利用との関連を二項ロジスティック回帰分析により検討した。その結果,学級内の規範意識が共有されているという認識は,学習と無関係な端末利用と負の関連を示していた。また,給食など授業外活動や人間関係に関する認識も,一部の不適切利用行動と関連している傾向が示唆された。これらのことから,本研究結果の一般化は十分ではないものの,情報モラル教育は個人としての視点だけではなく,学級の社会的文脈を考慮した集団的視点から検討する必要性が示唆された。

実践論文
  • 名知 秀斗, 田中 博之
    2025 年59 巻 p. 70-75
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究では,誤りを含む生成AIの回答に批判的思考を働かせる教材を用いた高校数学の実践を行った結果,(1) 学習者が生成AIの回答の正誤判断と誤答修正を適切に行えるようになること (2) 生成AIのメリットとして「短時間で回答出力」「アイデア創出」,デメリットとして「回答の誤り」「個人情報流出」「生成AI依存」を認識する学習者が多くなること (3) 批判的思考態度の下位因子の「論理的思考への自覚」「探究心」「客観性」が向上することが明らかとなった。

  • 山下 大吾, 田中 愛也, 谷田 親彦
    2025 年59 巻 p. 76-82
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     中学校技術科「D情報の技術」における「既存の技術の理解」の学習では,後の問題解決的な学習に活用可能なプログラミングの基礎的な知識・技能の習得が求められる。これまで,コーヒーメーカーモデルを用いた教材が開発・実践され,学習状況に加え「学習活動や学習内容に関する項目」や「技術と社会や生活に関する項目」で構成した意識調査に基づいて評価されている。しかし,意識調査の結果においては,センサの役割理解やプログラムの基本的な構造の理解に課題があった。また,コップの判別精度にばらつきがあり,モデルの機能的な問題点を抱えていた。そのため,基礎的な知識の習得に効果的だと示唆されているブロック型パーツによりコーヒーメーカーモデルを再構成して実践・評価することにより従来の教材の問題点を改善することができると考えた。本研究では,ブロック型パーツによりコーヒーメーカーモデルを再構成し,比較実験で判別精度の改善を確認後,6時間の授業を実施し,学習状況と意識調査に基づいて教育的効果を検証した。その結果,教材の正確な動作が学習活動を推進し,基礎的知識・技能の習得に効果的だと考えられた。一方,社会や生活への意識は従来の授業実践から変化は見られず,指導の工夫が必要であることがわかった。

  • 小川 智博, 小林 博典
    2025 年59 巻 p. 83-87
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究は,生成AIを用いた作文活動が児童の心理面に与える影響を,事前・事後の質問紙調査と自由記述により探索的に検討することを目的とした。結果,「自分の作品だと思う」(所有感)は有意に低下し,「AIを使っても自分で書いたと言える」(所有感)および「書き直す努力を自分で行った」(推敲関与)は有意に上昇した。自由記述では,「楽しい」「心配」などの感情を示す語彙の出現数が減少し,「アドバイス」「分かる」などの推敲過程に関連する語彙が増加した。生成AIの導入は,児童の完成物に対する所有感を相対的に弱めた一方で,生成AIを助言者的存在として位置づけ,自らを最終的な書き手と認識していた可能性が示唆された。

実践報告
  • 山岡 正和, 大前 智美
    2025 年59 巻 p. 88-91
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/06/10
    ジャーナル フリー

     本研究は,拡張現実(AR)を活用した複言語学習の実践を通じて,情報活用能力の育成および外国語に対する興味・関心の向上を目的として行ったものである。大阪府立豊島高等学校の生徒15名を対象に,Apple社のReality Composerを用いた90分の体験授業を実施した。授業では,生徒が多言語のフレーズをARコンテンツとして制作し,自ら発話する場面を録画・共有する活動を行った。授業後のアンケート調査からは,生徒が授業を「楽しかった」と肯定的に捉えていること,外国語に対する興味が高まり,ARの制作スキルを一定程度習得したことが確認された。また,生徒たちはARの身近な活用可能性についても積極的に考察し,学習や日常生活における応用を自らの言葉で表現していた。

ソフトウェアレビュー
編集後記
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