昆蟲.ニューシリーズ
Online ISSN : 2432-0269
Print ISSN : 1343-8794
3 巻, 3 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 高橋 敬一, 大林 隆司, 宗田 奈保子
    原稿種別: 本文
    2000 年 3 巻 3 号 p. 97-103
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    小笠原諸島父島において, 貯穀害虫およびその天敵類の種類相を明らかにするために, 貯穀環境およびその周辺部でトラップ等を用いた採集調査を行った.その結果, オナガシミCtenolepisma longicaudata Escherich, コヒゲジロハサミムシEuborellia annulipes (Lucas), ワモンゴキブリPeriplaneta americana(Linnaeus), ミナミナガカメムシClerada apicicornis Signoret, ヨツボシキノコカスミカメFulvius anthocoroides(Reuter), ヒロズコガ科の一種Opogona sacchari(Bojer), ヒロズコガ科の一種Tineidae gen. spp. 2種, メイガ科の一種Pyralis sp., アメリカミズアブHermetia illucens(Linnaeus), クロチビエンマムシCarcinops pumilio(Erichson), パークホソカタムシEuxestus parki Wollaston, Murmidius ovalis(Beck), ヒメゴミムシダマシAlphitobius laevigatus(Fabricius), コクヌストモドキTribolium castaneum(Herbst), カドムネチビヒラタムシPlaconotus testaceus(Fabricius)およびツヤオオズアリPheidole megacephala(Fabricius)の8目16種の昆虫類が得られた.これらのうち貯穀害虫として知られるものはヒメゴミムシダマシ, コクヌストモドキの2種のみであった.また貯穀害虫の天敵として従来より知られているものはクロチビエンマムシのみであったが, ミナミナガカメムシとヨツボシキノコカスミカメの2種のカメムシも, その幼虫がヒラタコクヌストモドキ幼虫を餌として発育し, 成虫に羽化したことから, 貯穀害虫の天敵であると考えられた.
  • 岩崎 拓, 青柳 正人, 百々 康行, 石井 実
    原稿種別: 本文
    2000 年 3 巻 3 号 p. 105-109
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    クロヒゲブトカツオブシムシの成虫は, 野外で春と秋の年2回見られるが, 夏季の生活史は不明であった.大阪府南部で初夏にふ化時期を過ぎたオオカマキリとチョウセンカマキリの卵嚢を採集して準自然条件下で飼育したところ, 秋にクロヒゲブトカツオブシムシとカマキリタマゴカツオブシムシの成虫が脱出した.これらの成虫は第1世代であると考えられ, クロヒゲブトカツオブシムシは, カマキリタマゴカツオブシムシと同様に, 第1世代幼虫がカマキリのふ化後の卵嚢を摂食して発育し秋に羽化し, 越冬世代幼虫はカマキリの越冬卵嚢を摂食して春に羽化するという年2世代の経過をたどるものと考えられた.また, 同じふ化後卵嚢から両種のカツオブシムシの第1世代成虫が脱出したことから, 両種は競争関係にあると考えられる.
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