日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
17 巻, 1-2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 針塚 正樹
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 1-5
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    1) 前報に報告せる絹絲腺左右モザイクの他に一本の絹絲腺の中で細胞間にモザイクを生ずる事を報告した。
    2) 第II染色体の基礎斑紋と此のモザイクとが密接なる関係にある事から血液色に関するY, yのモザイクである事は明瞭である。
    3) 依つてY, yは從來考へられてゐたやうに血液の色に関與するのみでなく絹絲腺色にも直接関與してゐる事が更に確認された。即ちYはYcと共同してカロチノイド色素の透過性を絹絲腺に附與するものである。從つてY, yをC, c又はYb, ybと書くよりもやはりY, yの方が宜しいと考へ著者は之を採用した。
  • 針塚 正樹
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 6-8
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    1) 外山博士発見になる突然変異無翅は勝木博士によりfといふ遺傳記号をつけられたが著者はflと改めた。
    2) flは蛹、蛾の翅を欠き中後胸脚不能力の爲交尾困難で化蛹及び化蛾脱皮に際し翅部よりの出血多く死ぬものが多い。
    3) flはXI (W) リンケージ群に属し、W2との交叉價は3.3%である。
    4) W及びW3との交叉價は目下攻究中である。
  • 淺野 清志
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 9-12
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 1. 繭糸類節の遺傳的傾向
    高崎 恒雄
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 13-22
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 竹森 金次郎
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 23-26
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 清水 滋, 關戸 一正
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 27-32
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 簡一郎, 幸村 秋雄
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 33-36
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    1) 同功繭を作らせる2、3の実驗を行い、竹筒の如き円筒に熟蚕2頭を入れて営繭せしめると同功繭を結ぶ率が非常に多くなることを知つた。
    2) 同功繭の率は円筒の太さ及長さに依つて異り、本實驗に供した36新×70新の如き品種では、太さ3.3糎長さ3.0糎の円筒が最も多い。此円筒は太さに於ては体幅の約3.5倍、長さに於ては体長の1/2に当る。之より太くても長くても同功繭は少くなり、細くなると收繭が困難となる。
    3) 円筒を其直径と同一の辺を有し (3.3糎×3.3糎) 共長さも同一 (3.0糎) の角筒に代へても其効果には変りがない。
    4) 著者等は此方法を1区劃2頭上簇法と呼ぶ。区劃の大きさは蚕兒の大きさ即ち蚕品種とも密接な関係を有するものと思はれるが、夫等に関しては他日の實驗に待つこととする。
    5) 本考案は吾々独自のものであつたが、其創意は既に横山忠雄博士が昭和15年日本蚕糸学雜誌第11卷に於て述べられている。
  • 枇杷木 瀧雄
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 37-39
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 第1報 蠶蛹期間の高温環境が羽化せる蠶蛾の生殖能力の減衰に及ぼす影響
    三谷 賢三郎
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 40-44
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 川浪 中
    1948 年 17 巻 1-2 号 p. 45-53
    発行日: 1948/10/10
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    以上述べた実驗結果を摘要すれば次の樣である。
    1) 初めて出蛆脱繭する時期は蛆卵嚥下の時期が4齢前期又は後期或は5齢前期でも殆ど同じで、25℃保護の場合は上簇6-7日後、22.5℃保護の場合は上簇8 9日後である。然るに5齢後期に嚥下した場合は夫々約2日後れる。
    2) 最多出蛆脱繭日は蛆卵嚥下時期の早いもの程早く、又保護温度によつても違い、25℃では上簇10-12日後、22.5℃では上簇12-14日後に最多出蛆日が來る。
    3) 最終出蛆日は蛆卵嚥下時期の早晩と關係なく、4齢前期に嚥下したものでも25℃保護に於て上簇17日後、22.5℃保護に於て20日後に出蛆するものがある
    4) 蛆鑽繭を出さない爲には晩くも25℃保護では上簇後9日目、22.5℃保護では11日目に殺蛹乾繭しなければならない。
    5) 蛆は繭中に於て脱出位置を選定し、上顋でその附近の内層を前後左右に掻き分け、微小孔を穿つ。此の際、繭層と上顋の摩擦により微音を発する。続いて頭部を微小孔に入れ更に蛆体を入れ体を伸縮して前進運動を行いつゝ孔を拡大し終に脱出を完了する。
    6) 蛆が繭層を脱出するに要する時間は蚕品種及個体により異るが大体の平均時間は3時間14分である。
    7) 繭層内面に於ける穿孔を試みた跡を調査したるに、脱繭蛆は試穿箇所少く大部分 (72%) が1箇所丈であるのに、半脱繭蛆や不脱繭蛆の繭には試穿の跡が多く、脱繭容易な場合には1箇所の脱繭場所を選ぶのみで脱繭を完了するが、脱繭困難な場合には2箇所、3箇所、4箇所、5箇所と場所を変へて穿孔を試みるが遂に不成功に終り、半脱繭又は不脱繭となるものが多い樣である。
    8) 蛆体に附着した寄主体液を拭いてやると完全に脱繭するものが少くなり半脱繭又は不脱繭が多くなるから、寄主体液は脱繭に際して潤滑剤の作用を営むものの樣に思はれる。
    9) 脱繭は1日中行はれるが、午前に多く (約80%) 午後には少い (約20%) 午前中でも特に6-9時に多い (全休の40%、午前中に出るものの50%)
    10) 蛆が脱繭位置を選定するに当つては、繭層の厚薄緊緩よりも、繭層と寄主蛹体との間に自己の体躯が支持され力の據点を得易い場所を選ぶ樣に思はれる。斯る意味に於て脆繭の一番多い所は繭形の如何を問はず破風の中心稍々外れた所であり、其の他は繭形 (楕円形、俵形の別) 及大小によつて色々異なる。
    11) 脱出孔の形は円、楕円、不正円等色々であるが、長径の平均は約2.6mmである。
    12) 脱出孔周囲の繭糸は上顋により内面に引き込まれて居る。繭糸の多くは裂掻傷を受けて居るが切断された所は少い。なほ裂掻傷は外層繭糸に少く中内層繭糸に多い。
feedback
Top