1. 青熟白卵油蠶は2化性青熟種からの突然變異である。
2. 本種の致死作用は4齢就眠後15.6時間後に起る其斃死の状態は軟化病斃死蠶と區別明瞭である。
3. 本種の致死現象は催青温度に關係なく、稚蠶期より4眠までの低温 (通常23℃以下) の場合には全部致死し高温 (通常25℃以上) の場合は致死しない。
4. 本種の白卵性は藤色卵に對し油蠶性は正常 (不透明) 蠶に封し單純劣性にして且致死作用も劣性である。而して此等は同一因子の多面的發現と見做すことが出來る。
5. 本種の遺傳因子をolとし普通蠶をOlで表はすことゝする。然る時はolは白卵性、油蠶性の外に致死因子の作用もする。
6. olは田中博土のoc, ow, ot, oh, oa, om, ob, os, と別個の因子であるがobとの關係は尚不明の點がある。osとの關係に於てはolは油蠶性を表現される場合に優性致死因子として作用する。
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