日本蚕糸学雑誌
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24 巻, 1 号
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  • 大島 利通
    1955 年 24 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1. 湛水及び乾燥が桑樹の同化作用並に地上部, 地下部の伸長度に及ぼす影響をポツト栽植の7月乃至8月中の桑樹について調査した結果は次の通りである。
    2. 湛水すると地下部の伸長は直に停止するが, 地上部の伸長は徐々に減退し遂に停止する。地上部の伸長停止後排水すると3日目から根の伸長が始まり4日目には標準と同様な伸長度に回復した。地上部は排水後5日においても伸長が開始されなかつた。
    3. 自然乾燥放置により根の伸長度, 枝条の伸長度は徐々に減退し遂に伸長が停止した。伸長停止後潅水すると潅水後2日目より根は伸長を始め, 3日目に標準区と同様な伸長度に回復した。しかし地上部は5日目においても伸長度が回復されなかつた。
    4. 湛水, 自然乾燥放置とも同化作用の減退が認められた。自然乾燥放置のものは桑葉の萎凋開始時に同化作用が限界に達し, 萎凋してくるとむしろ消化量が多くなることが認められた。
    5. 萎凋状態の桑樹に潅水すると吸水作用は直に回復し桑葉の含水量が多くなるが, 同化作用は2, 3日遅れて回復するものの如く認められた。
  • 山崎 寿, 西村 国男, 松村 タカ子
    1955 年 24 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1.天蚕の発蛾は自然の状態に放任すると, 松本地方に於ては7月から10月にかけて約3ケ月間に亘つて行われる。この発蛾期間の長いことは採卵上種々の不便を来すので, 短縮方法を研究した。
    2.蛹に低温処理を施すとその成虫分化が促進され発蛾期間が短縮する。
    3.初期の蛹に25日間低温 (10QC) 処理を行うと30日間に発蛾が完了するが, 25日間高温 (25℃) 処理をしたもの及び対照区として開放せる屋内にて自然のままに放任したものは63日-65日を要する。
    4.初期に低温処理したものは高温処理したもの及び対照区に較べて最多発蛾月日が約15日又はそれ以上早まるし最多発蛾数も多い。
    5.然し蛹の中期に低温処理を施しても成虫分化の促進は見られない。
  • 山崎 寿, 西村 国男, 山田 たけを
    1955 年 24 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1.天蚕蛹を恒明下 (光源電灯, 110Lux) におくと, 成虫分化が抑制され, 昼明夜暗, 昼暗夜明, 恒暗のものの発蛾期間が49-60日であるのに, 恒明に於ては, 繭に附着せる樹葉を取り除いたものは143日, 繭に附着した樹葉をそのままとしたものは108日となり, 2-3倍の期間を要する。
    2.恒明環境下において成虫分化の遅れた蛹を恒暗下に移すと, 終始一貫して恒明処理を行つたものに較べて, その成虫分化が進み発蛾が早まる。の天柞蚕試験地に於て飼育した, 化蛹後10日間を経過したものである。
  • 稲神 馨
    1955 年 24 巻 1 号 p. 20-26
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    俗に “赤色メラニン” と呼ばれている生体色素の生成機構については未だ仮説の域を出ていない。著者は蚕の新しい突然変異赤赤を用いて, この機構を究明した結果次の如き知見を得た。
    1) 蚕の体液を空気中に放置しておくと黒乃至黒褐色に変つてくるのが普通であるが, 赤赤では赤色化してくる。この機構を追究したところ, 赤赤の体液には3-Hydroxykynurenine (OHKynu.) が非常に多く含まれていてこれが赤色色素の生成に関係を持つものと思われた。
    2) これで体液中のOHKynu.量と生成される色調との相関性を各種の蚕について調べたところ正の関係がみられた。又赤色色等が生成されるにつれてOHKynu.の量が減少していた。
    3) この赤色色素の生成は馬鈴薯チロシナーゼの添加で促進された。
    4) これらの現象をDopa, OHKynu., チロシナーゼ, 緩衝液を用いてin vitroに追究したところ, DopaとOHKynu.の量比を変えることによつて黒, 黒褐, 褐, 赤, 黄と各種の色調を再現することが出来た。
    これらの事実からみて, 生体内のメラニン色素はTyrosine系, Tryptophan系と区別して考えるべきでなく, 両者は密接な関係にあるものとみなければならない。この場合, 両者は共重合或いは附加重合するものと考えている。
  • 窪田 潤, 石川 博, 清水 悦雄
    1955 年 24 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    On the surface structure of a silk fibre there can be found visually or micro-scopically perceptible unevennesses, and besides electromicroscopic unevennesses and suchpure clean surface as atoms or molecules are thought to be combined with each other.
    It is thought that all the unevennesses and the surface mentioned above act uponfriction at the same time. In this experiment, it seems that electromicroscopic unevennesses, above all, act remarkably upon friction.
    The coefficient of friction is remarkably decreased with the increase of normalpressure and on the whole the equation U= aR-n is recognized to exist between theformer and the latter.
  • 布目 順郎, 堀場 雅夫
    1955 年 24 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    家蚕血液のpH測定を対象とした微量液用ガラス電極を案出した。本法はガラス電極をJ型に曲げ, その先端部を凹ませてそこへ微量の被検液を容れ, 之に先端を細く作製した骨汞電極を浸して測定するもので, その所要被検液量は0.02-0.05ccの微量であり, 又1回の測定に要する時間は30秒に足りないから4-5齢蚕1頭分の血液で以て, 成分変化を見ることなしに充分その目的を達することができる。
    本法は従来発表せられた微量液用ガラス電極に比べて特に簡便なものであり, 之を用いて幾多試験の結果も良好であつた。
  • 中村 鶴松, 鳥浜 義巳
    1955 年 24 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1・2令の初期及び後期に給与桑内に埋没する蚕児の性状を調査して次の事項を明らかにする事ができた。
    1) 埋没性蚕児の初期埋没の性質はその後も持続する。即ち1・2令の初期に埋没蚕となつたものは令の末期に於ても埋没蚕となり易く, 又1令に埋没蚕となつたものは2令でも埋没蚕となり易かつた。この事実は竹内氏の成績と一致する。
    2) 雌雄の割合1・2令の初期及び後期に埋没蚕となつたものを5令起蚕で雌雄鑑別した処, 埋没蚕には何れも雌が多かつた。
    3) 就眠状態就眠の遅速を1・2令初期の埋没蚕について調べたが上層蚕との間に差がなかつた。
    4) 生命時間1・2令の初期に埋没蚕となつたものと, 然らざるものとを較べると, 埋没蚕の方が絶食生命時間は短かかつた。而もこの短命な体質が5令に至るまで変らない様である。
    5) 飼育成績1・2令に埋没した蚕と然らざるものとを比較すると, 飼育経過に差はないが, 虫質では埋没蚕の方が梢劣り, 繭重繭層重では稍優つていた。
  • 岡本 奨, 堀内 和典
    1955 年 24 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    OKAMOTO, one of the authors, investigated the amino acid contents in the crystalline and non-crystalline regions separated by means of the diluted HCI hydrolysis method, and concludedthat there could not been observed the differences in contents of both regions. Whiletwo components of silk fibroin were reported recently by COLEMAN, DRUCKER and AKABORI etal successively. But the relation between the two regions and the two components is complicatedand not clear, so that the authors tried to clarify this complicated relations and gotthe following results.
    Silk fibroin of domesticated silkworm (Bombyx mori) and wild silkworm (Antheraea pernyiand A. yamamai) was dissolved in strong hydrochloric acid or in 85% phosphoric acid, andthen regenerated by neutralization, and these processes were repeated several times. Atevery process the regenerated fibroin was gathered and hydrolysed completely with 6 N HCI, and the hydrolysates were concentrated and devoted to the paper chromatographic method, and amino acids varieties composing of each fractions were detected and compared eachother.
    In all cases the amino acids varieties of both fractions, corresponding to the regenerateand non-regenerate components, were fairly different.(Fig. I, Ia, II) MURASE reported that the crystalline region of the wild silkworm separated by means ofthe diluted HCI hydrolysis method was composed of such small molecular amino acid asglycine, alanine and serine. But we could not separate from the wild silk such region asabove mentioned with the same method.(Fig.III, IV)
    Judging from the above mentioned facts, it might be concluded that the two componentsof fibroin are not the same with the two regions of it, and asumably the two or more componentsof fibroin intermingle in both regions and are not observed the distinct differences incomponents of both regions.
  • 竹内 孝三
    1955 年 24 巻 1 号 p. 49-56
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 侵根性桑病の地域的分布特に紫紋羽病につい
    岡部 光波
    1955 年 24 巻 1 号 p. 56
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 中川 房吉
    1955 年 24 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 矢島 武, 松沢 盛茂, K. OGIWARA, 白井 美明, 日高 醇, 鳥井 敏文, 桐山 清, 中井 武文, H. A. SCHNEI ...
    1955 年 24 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    友収と純収益との関係
    養蚕における共同化の性格
    絹のラウジネスの研究
    蚕繭の再乾に関する研究II乾燥条件と乾燥速度について
    クロールピクリンによる土壌消毒に関する研究7, クロールピクリンによつて死滅しない細菌
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    昆虫の休眠の生理VIIIセクロピヤ蚕に於ける休眠中及び成長分化中の物質代謝の量的変化
    ゴキブリの間脳-側心体-アラタ体系に及ぼす神経切断の影響
    家蚕及び狸々蝿に存在するプテリン
    ポリフエノールオキシダーゼの組織化学的証明とそれを事生虫の卵殻形成及びイガイの足糸形成に応用した例について
    SCOTCH PINEの光合成に及ぼす光の強さ (赤外線ガス分析器による光合成の測定).
    自動抄緒及配繭装置
    膿病ウイルスの活性は何年くらい保たれるか
    パリ地方の果樹の晩霜被害とその対策
  • 1955 年 24 巻 1 号 p. 68
    発行日: 1955年
    公開日: 2010/11/29
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