1) α ・ナフタレン酢酸 (0.02%), マレインサンヒドラジッド (0.1%) および尿素 (0.5%) を休眠導入直前の8月下旬-9月上旬にかけて葉面撒布を行ない, 休眠への影響をみた。休眠初期の発芽率はα・ナフタレン酢酸およびマレイン酸ヒドラジッド撒布区では, 無処理区に比べて低く, 発芽抑制の効果がみられ, 尿素撒布区は高く, やや発芽を促進する。最深休眠期は無処理に比べてα・ナフタレン酢酸撒布区は10日, 尿素撒布区は20日遅れた。
2) 休眠の各時期に桑条を切断した枝条片を水, β ・インドール酢酸 (IAA), α ・ナフタレン酢酸 (NAA), 2・3・5-トリヨード安息香酸 (TIBA) の5および50p.p.m.の溶液に室温で24時間浸漬した。5p.p.m.の場合はNAAを除いて各処理ともほぼ同様な桑芽の発芽率を示したが, NAAは休眠初期において桑芽の発芽を抑制した。50p.p.m.の場合では水処理を除いて各処理とも桑芽の発芽を抑制した。水処理の場合は無処理 (無浸漬) のものよりやや発芽を促進する。
3) 7月19日, 8月8日, 9月18日の3つの異なった時期に生長点および先端4-5葉残して摘葉した場合の休眠への影響をみた。7月19日および9月18日の摘葉は休眠に対する影響が少ないが, 8月8日摘葉は無摘葉に比べて最深休眠期を20日遅らせ, さらに冬眠期の発芽率を著るしく低下させた。
抄録全体を表示