非日周的光線リズムがカイコの成長におよぼす影響について無菌飼育によって調査した。
実験に用いた光周期は, 8, 12, 24, 48, 72, 96, 120および144時間であり, また明暗の比は1:1および1:3である。
実験の結果はつぎのように要約される。
1) 明暗比1:1のばあい
カイコの経過は24時間周期 (12L: 12D) がもっとも短かく24日08時間, ついで72時間周期 (36L:36D) の25日04時間であった。これ以外の非日周的光線リズムにおいては, いずれも経過が長びき, 約27~28日を要した。
2) 明暗比1:3のばあい
カイコの経過は上記同様24時間周期 (6L:18D) がもっとも短かく23日04時間, ついで72時間周期 (18L:54D) の24日であった。これ以外の非日周的光線リズムにおいては, いずれも経過が長びき, 約25日を要した。また, 24時間以下の12時間周期 (3L:9D) および8時間周期 (2L:6D) についても経過が長びき, 約25日を要した。
3) 24時間周期はカイコの経過を大巾に短縮したにもかかわらず, 他の光線処理区に比較し繭重, 繭層重にほとんど差をみとめなかった。
4) 以上の結果, カイコの成長は, 光周条件が circadian rhythm を持続するときもっともよく進行するものと思われた。
5) 非日周光線リズムのうち, 72時間周期が比較的経過を短縮した原因について若干考察を加えた。
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