日本蚕糸学雑誌
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40 巻, 2 号
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  • V. カイコの品種間および原種とその交雑種間における真皮細胞の大きさならびにその数の比較
    田中 一行
    1971 年 40 巻 2 号 p. 69-73
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコの品種 (原種) 間および原種とその交雑種間にみられる体の大きさの相違に対し, 真皮細胞の大きさやその数が, どのような関係にあるかにつき知るため, 蛹クチクルの表面にみられる不正六角形の小区分を, 真皮細胞の表面像とみなし, その点を究明した。用いた品種および実験の範囲内では, 結果はおよそつぎのとおりであった。
    1) 動環節における環節前部 (前半部) と環節後部 (後半部) の面積比は, 品種によってかなり相違しており, 一般に体形の大きい品種ほど環節前部の面積は大きい。
    2) 真皮細胞の大きさは, 環節前部と環節後部とで品種によって著しく相違し, 環節前部で小さい品種 (体形大) は環節後部で大きく, また環節前部で大きい品種 (体形小) は環節後部で小さい。
    3)1)と2)の結果から, 真皮細胞の大きさを環節平均値でみれば, 環節の大きい品種において逆に小さいことが知られた。
    4) 真皮細胞数は, 環節の大きい品種において明らかに多いが, この品種的相違は, 主として1)および2) に示した環節の部位による面積や, 真皮細胞の大きさの品種的特異性による。
    5) 原種と交雑種との間においては, 真皮細胞数は前者よりも後者において明らかに多く, またその大きさは後者の側で若干大きい。
    6) 交雑種にみられる真皮細胞数は, その数の少ない品種を母体としたものよりも, その多い品種を母体としたものの方が明らかに多い。
  • 中水流 操, 水田 美照
    1971 年 40 巻 2 号 p. 74-80
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    蚕種製造時の作業室内に飛散する鱗毛塵を除去する目的で簡便な鱗毛塵収集機を試作した。
    1. 試作機は1PS, 風量48m3/minの多翼送風機に簡易な吸い込みおよび吐き出し用のフッドを取り付け, 吐出口に厚さ5mmのエバーライトで作った面積の広い山形除塵フィルターを取り付けたものである。
    2. 機体は小型で自由に移動できる形式とし, 本機の作動中は引吸した空気を除塵後作業室の天井に向って吐き出させ, 室内に本機を中心とした空気の流れを作り, 飛散する鱗毛塵の捕捉吸引を早めるとともに室内温度に変化を与えないようにした。
    3. 床面積24m2, 高さ2.8mの蚕室で約1万頭の雄蛾を用い除塵性能試験を行なったところ, 本機作動前ではガーゼーマスクをかけても作業困難であったのが, 作動開始後2~3分間でマスクなしで作業できる状態となり空気中の飛散鱗毛塵量を約1/100に減少させることができた。また床面積72m2, 高さ2.8mの蚕室で約1万頭の雄蛾を用いて行なった除塵性能試験では, 補助扇風機2台を用い吸込口に向って反対側斜上方から気流を起こすとによって, 本機の除塵性能は著しく向上することがわかった。
  • (1) 桑条のカルス培養におけるオーキシンならびにカイネチン濃度の影響
    関 博夫, 武田 正男, 堤 和敏, 宇敷 義道
    1971 年 40 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    著者らは桑樹の育種に利用することを目的として, 桑条のカルス培養の基礎実験に着手し, つぎの結果を得た。
    1. 桑条のカルス増殖に対しては MURASHIGE & SKOOGの基本培地にカイネチン0.1ppmを加えた場合に, β-インドール酢酸 (IAA) ならびにα-ナフタレン酢酸 (NAA) ともに約2.0ppmの添加が適当と思われる。
    2. カルスからの発根に対してはIAA, NAAとも0.2ppm付近が適当と思われる。
    3. 桑樹の倍数性とオーキシンのカルス増殖との関係は3x>2x>4xで, また発根数との関係は2x>3x>4xの順であって, 発根の極性は乱れる。
    4. MURASHIGE & SKOOG の基本培地にβ-インドール酢酸 (IAA) 2.0ppmを加えた場合, カイネチン濃度は0~0.2ppm位までがカルスの増殖が盛んで, その最適濃度0.02ppmと思われる。
    5. カルスからの発根におけるカイネチンの濃度も, カルスの増殖が盛んな0~0.2ppm位で, その中心は0.02ppmの傾向があって, 発根の極性が乱れる。
  • (IV) 防腐剤添加飼料による無菌育幼虫に対する数種腸内細菌の消長
    飯塚 敏彦
    1971 年 40 巻 2 号 p. 86-90
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    著者らが分離している家蚕健全幼虫における腸内優位細菌10種を, 防腐剤としてソルビン酸, プロピオン酸を含む人工飼料による無菌飼育の5令幼虫に添食し, 起病性と腸内での細菌数の消長を検討した。また, 人工飼料上での細菌数の消長も併わせて検討した。
    1) 供試した飼料上において, 10種の細菌はいずれも増殖が抑制された。その中, Streptococcus faecalisBacillus cereus は増殖は認められなかったが実験期間中死滅することはなかった。一方 Achromobacter parvulusAlcaligens metalcaligenes は24時間以内に死滅した。
    2) 単1種の細菌を無菌飼育の5齢幼虫に添食した場合, Streptococcus faecalis に起病性が認められたが, 他の9種には認められなかった。Streptococcus faecalis を除く9種細菌の中, Staphylococcus epidermidis, S. aureus, Bacillus cereus (いずれもグラム陽性菌) は, 5齢期間を通してほぼ一定の細菌数で分離された。一方, グラム陰性菌6種は24時間後ほとんど分離されなかった。
    3) Staphylococcus epidermidis とグラム陰性菌を組み合わせて添食した場合, 単1種の細菌添食と腸内での細菌数の消長がほぼ一致した。
  • 第3報 絹の黄褐変脆化防止と紫外線吸収剤の適応性
    桑原 昂, 渡辺 忠雄, 筒井 亮毅, 待田 行雄
    1971 年 40 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    =前報の結果から絹の黄褐変脆化を防止するためには, 233mμおよび325mμ前後に吸収特性を持つ紫外線吸収剤が効果的であると考え, フェニールサリチレート, p-オクチルフェニールサリチレート, p-クロロフェノール, 2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン, 4-メトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノンの5種の紫外線吸収剤について, その適応性を調べた。
    1. 紫外線吸収剤のみを日光曝露, 紫外線照射すると, フェニールサリチレートおよびp-オクチルフェニールサリチレートはかなり黄色化し, p-クロロフェノールは茶褐色となった。しかし2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノンおよび4-メトキシ-2-ヒドロキシベゾフェノンはほとんど着色しなかった。
    2. またこのように照射された紫外線吸収剤の紫外線吸収特性の変化を見ると, フェニールサリチレートはその吸収性が全般的にかなり低下している。p-オクチルフェニールサリチレートとp-クロロフェノールは226~228mμの低下が顕著である。これらに対し2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノンおよび4-メトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノンの吸収特性の変化は極めて少ない。
    3. 各紫外線吸収剤を吸着させた絹布を日光曝露, 紫外線照射した場合の着色度を見ると, ベンゾフェノン系2種で処理した絹布の着色は軽微であるが, その他の3種で処理した絹布はかなり着色する。
    4. これらのことから絹の黄褐変を防止するための紫外線吸収剤としては, 5種の中でベンゾフェノン系2種が適当であるといえる。このことは, 絹の黄褐変が233mμおよび325mμ前後の波長に最も強く影響されることと, 紫外線吸収剤の吸収特性およびその紫外線照射による変化が少ないことと密接な関連があることを考えさせる。
  • 長島 栄一, 片岡 平, 武井 隆三
    1971 年 40 巻 2 号 p. 97-100
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    1. 家蚕幼虫の各環節の背面に, ひしのみを思わせる斑紋が形成される突然変異を発見し, ひしのみ型褐円 (Caltrop) と名づけた。このひしのみは劣性の致死作用を伴なっており, ホモ個体は卵の催青期に致死する。
    2. ひしのみ型褐円遺伝子 (LC) は褐円遺伝子 (L) と対立関係にあり, L遺伝子の自然突然変異と考えられる。
    3. ひしのみ型褐円と数種皮膚形質との発現の関係を観察した。
  • 小林 正彦
    1971 年 40 巻 2 号 p. 101-106
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    蚕の中腸皮膜にこれまでみられていた円筒, 盃状, 再生の各種細胞と異なる新しい種類の細胞が観察された。この細胞は中腸皮膜の基底部 (体腔側) に散在し, 細胞質に多数の分泌顆粒を含んでいた。細胞の位置や微細構造および分泌顆粒の分布状態などから, この細胞は内分泌性の細胞であり, 哺乳動物の消化器官に存在する底粒細胞と相同の細胞であると考えた。
  • 中島 誠
    1971 年 40 巻 2 号 p. 107-110
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    煤姫白血遺伝子a, 黄血抑遺伝子Iおよび優性赤蟻遺伝子Iaの相互の関係を明らかにするため, 交配実験を行ない, 次の結果を得た。
    1. aIaとの間には連関関係があり, 組換率は6.7%であった。
    2. Ya×(YI×Ya) の正逆いずれの戻交配を行なっても, 次代はすべて白血となり, 黄血は1個体も現われなかった。
    これらの結果から, aIおよび+Iと複対立関係にあり, 第IX連関群に所属することが明らかにされた。また煤姫白血遺伝子aは煤姫黄血抑圧遺伝子Isと改むべきである。
  • (9) 桑葉の離脱時における引張・せん断・切断・衝撃抵抗値の品種間差異について
    須藤 允, カマルデン A. H.
    1971 年 40 巻 2 号 p. 111-119
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    摘桑機を開発するための基礎資料を得る目的で9品種 (剣持, 島ノ内, 水沢桑, 改良鼠返, 一ノ瀬, 富栄桑, ろ桑, 国桑第21号, 大島桑) を用い, 条から葉を離脱させる時の引張抵抗, せん断抵抗, 切断抵抗, 衝撃抵抗について測定し, 品種間差異を検討した。
    1 離脱抵抗は品種や使用する力の種類によって異なり, 本試験の結果では最大離脱抵抗値は引張力を用いた場合は国桑第21号で, せん断力と切断力を用いた場合は水沢桑, 衝撃力を用いた場合は富栄桑からそれぞれ得られた。
    2 機械の摘桑能力は最大離脱抵抗値をもつ品種によって決定すべきであるから, 本試験の結果から摘桑機構に引張力を用いる場合は国桑第21号に, せん断力と切断力を用いる場合は水沢桑, 衝撃力を用いる場合は富栄桑によって規制されることが明らかとなった。
  • (I) ペクチン質分解過程の組織化学的観察
    家城 洋之
    1971 年 40 巻 2 号 p. 120-126
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    紫紋羽病菌の桑根への侵入機構について, ペクチン質分解酵素の面から組織化学的に観察した。
    1. 本菌菌糸の桑根への侵入形態は, まず根の表面に菌糸が集積し, 周皮木栓組織あるいは皮目に侵入座を形成して侵入した。菌糸が皮層部に達していない初期段階では, 皮層細胞縫合部中層ペクチン質は分解されていないが, 皮層部に達すると菌糸と接触あるいは隣接しているペクチン質はかなり分解されていた。
    2. 本菌のリチャーズ改良培地培養ろ液および罹病根皮層部抽出酵素液は, 寄主体 (桑根, ジャガイモおよびサツマイモ) 生切片の皮層細胞縫合部中層ペクチン質を分解した。酵素液のpHが3.0~3.4および6.0の付近に活性の強いピークがあり, 前者には後者よりも強い活性がみられた。罹病根皮層部抽出酵素液では, 罹病中程度の皮層部から抽出した酵素液の活性が最も強かった。リチャーズ改良培地での培養ろ液pHおよび酵素活性との関係は, ろ液のpHが最低になった時から酵素の分泌が旺盛になった。
    以上の結果, 桑根への侵入方法は, 周皮木栓組織および皮目に侵入する段階では, 菌糸の機械的作用が主で, 補助的に化学的作用であるペクチン質分解酵素が働き, 菌糸が皮層部侵入後はペクチン質分解酵素が主に働くであろうと考えられる。
  • 家城 洋之, 糸井 節美
    1971 年 40 巻 2 号 p. 127-135
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    1. PCNBおよびその分解産物であるPCAは白紋羽病菌の生育をPDA培地上で効果的に抑制した。しかし, PCNBはPCAよりも低濃度で菌の生育を抑制した。PCNB 20%粉剤混合処理土壌 (15g/10l土壌) を圃場状態に保っても, 長期間 (43ヵ月以上) 菌の生育伸長を抑制し残効を有していた。この場合, 処理36ヵ月後の土壌中では大部分がPCNBの形で存在し, 一部分PCAおよび痕跡程度PCTAの形で存在していた。
    2. 桑枝および雑木枝束 (直径約30cm) 1m当りPCNB 20%粉剤100~150gの割合で散粉し, 白紋羽病菌汚染土壌でうめると, 処理28ヵ月後も白紋羽病菌の定着は阻止された。この間に桑枝および雑木枝は腐朽した。
    3. PCNB 20%粉剤混合処理 (15g/10l土壌) によって, 糸状菌, 細菌および放線菌数はほとんど影響をうけなかった。
    4. 白紋羽病発生桑園で植溝1m当りPCNB 20%粉剤約240gを混合処理後, ただちに桑苗木を植付けた。3年目までの調査では0.4%の発病枯死株がみられたのみですぐれた防除効果を示し, また, 桑の生育も極めて良好であった。
    以上の結果から, PCNB剤は (1) 林地開拓桑園における粗大有機質への処理, (2) 白紋羽病発生桑園での植溝処理の2方法に利用できると考えられる。
  • 石島 嶄
    1971 年 40 巻 2 号 p. 136-140
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    山形県新庄市および長野県松本市採取クワ枝条から越冬卵が検出され, ヒシモンモドキ (Hishimonoides sellatiformis ISHIHARA) と命名された新種の昆虫が, クワ萎縮病を媒介することを明らかにした。
    1) 本種は短期間の罹病株吸汁で病原を高率に獲得し, 個体接種によって健全クワ苗に媒介した。
    2) 保毒虫は, 25℃において, 接種吸汁1時間で16%, 12~15時間で75%の媒介率を示した。
    3) 病原の虫体内潜伏期間は, 28℃において21~39日であった。本種は, 病株吸汁後病原を永続して保持し, 一定の潜伏期間を終えた後へい死直前までほぼ連続した媒介を行なった。
    4) 以上の点から, 本種の本病媒介能力はヒシモンヨコバイにまさると考えられた。
  • 藤井 実, 水野 治, 保木 留吉, 北村 敏雄, 林 正, 青木 総一郎
    1971 年 40 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    桑園凍霜害防除のために, 3~4lの空かんを利用した重油燃焼かんに, ふた形をした点火器を装備し, 電池の電流によって重油に着火燃焼させる装置を作った。点火器は, セルロイド薄膜製の円筒にニクロム線を巻いた発火部と, 雨を防ぐふたと, 点火用の炎を広く出すための帯とから成り, このふたと帯は発泡ポリスチレン板製であって, 14gの着火剤 (塩素酸カリウム5分, イオウ粉末2.5分, ポリエステル樹脂2.5分) を300cm2の広さに塗ってある。この重油燃焼装置を10a当り30こ配置し, ニクロム線を電線に並列に接続しておく。この回路に接続された温度調節器が閉じられると, 12Vの自動車用電池の電流が通じ, ニクロム線が熱せられて発火し, 着火剤の火力で重油に着火した。降水によって濡れたあとでも, 結露しているときでも, 良好な着火率を保つことができた。点火器はすべて固体の物質を材料とし, ニクロム線は塩類に接していないので, 比較的長期の貯蔵に耐えうると思う。
  • 渡部 仁, 南村 春美
    1971 年 40 巻 2 号 p. 145-146
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコの化蛹3日目に細胞質多角体病ウイルスを接種し, 感染蛾の産卵について調べた。感染雌蛾の産卵数は非感染雌蛾のそれと差異がなかったが, 雌雄あるいは雌雄どちらかが感染蛾である交配組合せにおいて, 産下不受精卵数が増加する傾向が見られた。
  • 四方 正義, クスマプトウラ サヌシ, 田中 雄蔵
    1971 年 40 巻 2 号 p. 147-149
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    種繭保護室で臭気を放つ斃蛹・斃蛾からインドール, プロピオン酸そしてイソー吉草酸の存在をガスクロマトグラフィーで確認した。勿論これらの物質が臭気の原因のすべてではないが (他の実験でアミン類の存在も確かめている), その臭からしても臭気の重要な要素の一つであろうことはうたがいない。
    これらの揮発性化合物を蛹に接触させるとインドールでは高濃度で蛹期間を長くし, 発蛾率, 産卵数を減少する。しかし, 揮発性脂肪酸では, プロピオン酸で単に発蛾率の減少が見られただけで, イソー吉草酸では相当強い臭気であるにかかわらず, その影響は今回の実験では見られなかった。
  • 平田 保夫
    1971 年 40 巻 2 号 p. 150-156
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    現行蚕品種の実用形質と消化液アミラーゼとの関係を検討するために, 消化液アミラーゼ(+)型および(-)型の系統をつくり, 28℃, 90%R. H. の無気流室飼育, 食下量試験および給与桑を異にした飼育試験を行ない, 実用形質を比較して次の結果を得た。
    1. 繭重, 繭層重は各試験区とも (-) 型がまさる傾向を示したが, 硬化した葉質の悪い桑を給与したときには繭重, 繭層重ともに逆に (+) 型がまさる値を示した。量的形質発現の程度の低い保存品種では, (+) と (-) 型との繭重に明確な差がなかったが, 繭層重は (-) 型がまさる傾向を示した。
    2. 食下量, 消化量は (-) 型に多い傾向があり, 5齢期の消化量に対する繭層重割合も (-) 型がすぐれていた。しかし, 量的形質の劣る保存品種では, これらの形質もアミラーゼ型により顕著な差異を示さなかった。消化率はいずれの場合にも逆に(+)型がまさる傾向を示した。
    3. 壮蚕期の経過日数は (+) 型が全般に短い傾向を示した。
    4. 化蛹歩合は (+) 型において高く, (+) 型は葉質の悪い環境においても蚕の生存率を高くすると考えられる結果を得た。
  • 1971 年 40 巻 2 号 p. 157-158
    発行日: 1971/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    サク蚕蛾から分泌されるコクーナーゼ (繭糸蛋白分解酵素) の性状I. II.
    Bacillus thuringiensis の β-exotoxins 1. 単離と特性
    Bacillus thuringiensis var. alesti の新菌株HD-1の殺虫力
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