クワ縮葉細菌病菌
Pseudomonas mori の土壌中での生存条件について実験的に検討し, 次の結果を得た。
(1) 殺菌土壌中での本菌の生存は土壌粒子の大きさによって左右され, 粒径3mm以下の土壌区および0.59mm以下の土壌区の生存日数はそれぞれ, 5℃で217日, 21日, 10℃で329日以上, 73日, 30℃で103日, 6日, で前者において明らかに長期間の生存がみられた。
(2) 非殺菌土壌中での生存期間は殺菌土壌に比較して著しく短縮され, 他の土壌微生物の影響が大きいことが暗示された。そしてその影響は高温ほど大きく, 粒径3mm以下の土壌では-20℃で225日以上, 5℃と10℃で20日, 20℃と30℃で9日以下の生存日数であり, 0.59mm以下の土壌区でも同様な傾向を示した。
(3) 非殺菌土壌中, 5℃での本菌の生存日数を土壌への接種法別に調べた。その結果, 菌液濃度10
8/m
l接種区は20日であるのに対し, 10
10/m
l区, 集落接種区でそれぞれ53日, クワ葉および細根磨砕液の遠心上清混入区ではそれぞれ, 100日, 150日以上の生存日数であった。
(4) 風乾土壌中での供試温度における本菌の生存日数は殺菌土壌の場合には湿潤土壌の場合に比較して大差は認められなかったが, 非殺菌土壌の場合には5℃で100日以上, 20℃で30日となり湿潤土壌中よりも長期間生存した。
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