スチレンとGMA比を1:0, 3:1, 1:1, 1:3, 0:1, MMAとGMA比を1:1として絹糸のグラフト重合加工を行ない, グラフト絹糸の摩擦帯電圧および帯電電荷の半減期を測定し, つぎの知見を得た。
1. S-GMA共グラフト絹糸の帯電圧はスチレンとGMA比によらずGMAグラフト絹糸に等しい。
2 各種グラフト絹糸の帯電圧は, S>GMA>MMAの序列になる。
3. 付着ポリマーを抽出除去した場合のグラフト率と帯電圧の関係は, 除去しない場合の見かけのグラフト率と帯電圧の関係と, 特に低グラフト率において著しく異なる。半減期に関してはグラフト率と見かけのグラフト率に著しい相違はない。
4. S-GMA共グラフト絹糸の半減期はスチレンとGMA比によらず, GMAグラフト絹糸に等しい。また, MMA-GMA共グラフト絹糸の半減期は, S-MMA, MMAグラフト絹糸の場合と一致する。
5. 含GMAグラフト絹糸のグラフトポリマーに水酸基を導入すると半減期は短くなるが, スチレングラフト絹糸の場合より長い。
6. 種々のグラフト絹糸の半減期は, S-MMA, MMA, MMA-GMA>MMA-GMA(-OH)>S-GMA, GMA>S-GMA(-OH), GMA(-OH)>Sの序列である。
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