14C-ロイシンのたんぱく質画分へのとりこみ量を指標として家蚕卵巣の培養系の検討を行った。
1. 卵黄形成期にある卵巣をWYATTの培養液中でインキュベーションし,
14C-ロイシンのたんぱく質画分へのとりこみのK
m値およびV
maxを求めたところ, 各々0.7mMおよび100nmoles/時間/卵巣であった。
2. 10mM以上のMg
2+イオンを含む培養液では, 卵巣のたんぱく質合成活性の増加がみられた。しかしK
+イオン (0~70mM), Na
+イオン (5~75mM), ビテロジェニンーリポたんぱく質 (10, 30mg/m
l) はその濃度のいかんにかかわらず影響を及ぼさなかった。また数種の糖類を添加した場合においても合成活性の変化は認められなかった。
3. 発育時期の異なる卵巣のたんぱく質合成活性を培養系において比較し, 発育に伴う活性の変動を調べたところ, 蛹体内での合成活性の変動とよく一致していた。
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