日本蚕糸学雑誌
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50 巻, 5 号
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  • 清水 孝夫, 小森 三郎
    1981 年 50 巻 5 号 p. 355-358
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    繭中へい蚕に起因する内部汚染繭からの蚕病病原検索と, 検出された病原の耐熱性について調査を行い, つぎの結果を得た。
    1. 乾繭処理後の内部汚染繭からは核多角体を含む個体が高率で検出され, その検出率は平均70.4%であった。
    生繭汚染繭からも核多角体が多く検出されたが, その検出率は乾繭処理後のもの程高くなかった。
    2. 核多角体病ウイルスおよび卒倒菌毒素は, 通常の乾繭処理では, ほとんど起病性を失なわなかった。
    3. 乾熱処理により, 核多角体病ウイルスは110℃, 60分では完全には不活化されず, 卒倒菌毒素は140~150℃, 60分では起病性の消失がほとんど認められなかった。それに比べ, 細胞質多角体病ウイルス (TC系統) や伝染性軟化病ウイルスでは耐熱性が低かった。
  • III 配蚕時における蚕の微生物検索
    松本 継男, 松原 藤好, 大西 盛夫, 林屋 慶三
    1981 年 50 巻 5 号 p. 359-365
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    人工飼料の導入にともない筆者らは稚蚕を無菌環境下で飼育し, 壮蚕期に桑葉機械育へと配蚕する体系を考え, さらに配蚕児に何らかの健康調査を実施し証明済の蚕児を配蚕する体系を考えた。そこで微生物学的な「品質評定」を伴った配蚕児検査方式を検討するため, 本学附属農場に設置された家蚕人工飼料無菌飼育施設における飼育環境および蚕の保有微生物 (細菌・真菌類・ウイルスなどの) 検索を行い次の結果を得た。
    1) 稚蚕飼育用の無菌室の微生物検索は, インピンジャー法で実施した。稚蚕に対する検索は, 細菌・真菌類は培養による分離・同定法で, NPVとCPVは顕微鏡下での多角体の確認で, またIFVは血清学的な診断によった。
    2) 配蚕1日前の飼育室内の空気からは, 全蚕期を通じて細菌は, 3~6/m3, 真菌類は32~110/m3の総菌数が定量された。また分離菌は, Bacillus, Staphylococcus, Enterococcus, Pseudomonas, Proteus などの細菌と, Penicillium, Aspergillus, Cladosporium, 酵母などの真菌類が主として分離同定された。これらの微生物は, 夏蚕期にもっとも多くの生菌数および菌種が確認された。
    3) 就眠1日前の3齢蚕からは, 夏蚕期に1度だけ Staphylococcus, Enterococcus および酵母が分離された。春蚕期秋蚕期では, 細菌, 真菌類およびウイルスはまったく検出されなかった。
    4) このような環境下で飼育され,上記微生物の検索された蚕は, 桑葉機械育へと配蚕・飼育を継続しても, 蚕病の発生はまったく認められず, 安定した飼育成績が得られた。
  • 三石 賢, 石渡 勉, 丸山 尚夫, 堀川 喜美子
    1981 年 50 巻 5 号 p. 366-372
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    典型的な直接染料 (C. I. Direct Yellow 12, C. I. Direct Red 2) の絹糸に対する吸着機構を明らかにした。先ず, 0.05M NaClが共存する場合, 直接染料の絹糸に対する吸着挙動は, LANGMUIR および FREUNDLICH の両吸着式によって, それぞれ近似的に表わされることがわかった。LANGMUIR 型吸着を想定して求めた直接染料の絹糸に対する親和力は, 吸着量が増大するにしたがって次第に大きくなる。しかし拡散型吸着を想定して求めた親和力は吸着量には関係なく一定値を示した。また脱アミノ化絹糸に対する直接染料の吸着挙動を均染性酸性染料 (オレンジII) のそれと比較検討した。これらの結果を総合的に判断すれば, 直接染料は絹糸に対して拡散型吸着するものと考えることが妥当である。
  • 複数のエステラーゼAからみた場合
    甲斐 英則, 加藤 純, 河合 孝
    1981 年 50 巻 5 号 p. 373-378
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    即時浸酸法と人工越冬法とは, ともに卵のエステラーゼ (Ease A) 活性を変動させる。そこで, 人工孵化法の作用について考察するため, この Ease Aを等電点電気泳動法で複数の成分に分離し, 各成分の活性変動割合を両処理間で比較検討した。
    1) 休眠卵を産下2日後から5℃に冷蔵すると, 冷蔵日すぎから孵化能力が賦与されはじめた。一方 Ease A活性は孵化能力の賦与に先行して変動し, 冷蔵28日後に顕著となった。
    2) 冷蔵28日後の卵では, 非冷蔵の産下27日後卵より, Ease A2, A3, A4およびA5の活性がそれぞれ3.2倍, 5.0倍, 2.4倍および0.83倍高かった。
    なお, Ease A1活性は, 産下20日をすぎると非常に低くなった。
    3) 産下20.5時間後の休眠卵を加温即時浸酸すると, Ease A活性は処理後30分以内に変動しはじめ, 20時間後には顕著となった。
    4) 上記処理20時間後の卵では, 産下41時間後の無処理卵に比して, Ease A1, A2, A3, A4およびA5活性がそれぞれ0.79倍, 3.2倍, 4.3倍, 2.2倍および0.95倍高かった。
    5) このように, エステラーゼA各成分が同様な上昇割合を示すことは, 塩酸と低温とが同じ作用機構を有する可能性を示唆すると考える。
  • 古田 要二
    1981 年 50 巻 5 号 p. 379-386
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    家蚕の核多角体 (NP) および細胞質多角体 (CP) をホルマリンで処理した場合における病原性と多角体のアルカリ (Na2CO3) 液による溶解性の変化について検討し次の結果を得た。
    1. 多角体はホルマリンによる処理条件が強いほどアルカリ液に対し難溶性となった。
    2. ホルマリン処理した多角体の病原性は, NPとCPでは異なり, CPがよりホルマリンに抵抗性であった。アルカリ液による溶解性は, NPはCPに比較しより難溶性である。また, 両多角体ともホルマリンの処理程度が弱く病原性の認められる場合はアルカリ液で約2時間以内に一部もしくは全部溶解するが, ホルマリン処理で完全に病原性を失った多角体は約4時間以内では全く溶解しなかった。
    3. ホルマリン処理で難溶性となったNPは蚕に嚥下させても3時間以内に糞と共に排泄され感染には至らなかった。また, ホルマリンにより難溶性となったNPをアルカリ液で溶解後蚕に接種すると, 溶解しないNPに比較し高い感染力を示した。
    以上の結果から, 多角体のホルマリン処理による不活化現象は, ホルマリンが多角体内のウイルスを直接不活化することよりも, 多角体をアルカリ難溶とし, その結果ウイルスが遊離され難いことに起因するものと推察した。
  • 平野 久
    1981 年 50 巻 5 号 p. 387-390
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    クワ (Morus spp.) の縞芽, すなわち鱗葉の縁が暗褐色になっている冬芽は, 単一の劣性遺伝子, sによって支配されていると推定された。また, この遺伝子は, 葉身のパーオキシダーゼアイソザイムを支配するPx1遺伝子と連鎖していないことが見出された。
  • III. 家蚕における methoprene の吸収, 公布, 排泄について
    島田 秀弥, 釜田 壹, 浅野 昌司
    1981 年 50 巻 5 号 p. 391-395
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    14Cで標識された合成幼若ホルモン活性化合物 methoprene を経皮投与し, その後の methoprene の吸収, 体内分布ならびに排泄に関する動向をオートラジオグラフィー法で, 血液中の methoprene 量をガスクロマトグラフィー法で検討した。
    1) 14C標識 methoprene の放射活性は経皮投与後, 吸収され, 蚕体内諸組織に分布し, 代謝されその大部分は糞と共に体外に排泄される。なお, 繭および蛹にも低い放射活性が認められた。
    2) 経皮投与された methoprene の血液中の存続時間は低濃度投与では短く, 高濃度投与の場合は長かった。
  • II 生糸糸条を構成する各種繭糸本数の確率分布
    嶋崎 昭典, 青木 久夫, 竹内 幸子
    1981 年 50 巻 5 号 p. 396-402
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    合併された原料繭荷口から繰製された生糸の品質を管理するには, 1本の生糸糸条において注目した原料繭の繭糸本数の確率分布を明らかにしておくことが重要である。初めに, 合併原料繭母集団は異なる原料繭集A1, A2,……,Anから構成され, 生糸はそれからの無作為接緒により繰製されるものとする。また, LiQiAi原料集団の平均繭糸長と母集団の大きさに対するAi集団の合併比であるとする。ここに添字i1からnまでの値をとる。K粒付の定粒繰糸の生糸において, Eiは各原料繭糸の出現結果を示すものとし, Eiの出現確率をpiとする。生糸糸条中, E1r1回 (A1繭糸がr1本), E2r2回, ……というように現われる確率をPr{r1, r2,……,rn}とおくと, これはつぎのように与えられる。
    Pr{r1,r2,……,rn}=K!/r1!r2!……rn!pr11pr22……prnn
    ここに, r1+r2+……+rn=K, pi=LiQi/∑ni=1LiQiである。
  • III 合併原料繭荷口における同質生糸糸長の確率分布について
    嶋崎 昭典, 山崎 光彦, 竹内 幸子, 田渕 貞夫
    1981 年 50 巻 5 号 p. 403-408
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    ここでは, 合併原料繭の荷口から繰製された定粒生糸に生じる同質生糸糸長の確率分布について考える。合併原料繭は原料繭集団A1, A2,……,Ai,……,Anから構成されているものとする。そして, Li, Qi, μiは平均繭糸長, 合併比, 平均解じょ糸長を示すものとする。ここに, 各パラメータの添字iはそれが原料繭集団Aiのものであることをあらわすものとする。理論的またシミュレーションによる考察から, ある一定区間T内に生じた同質生糸糸長Yの確率分布は
    f(y)=λe-λy/1-e-λT
    で示されることが知られる。この切れた指数分布のパラメータλは原料ならびに技術情報からつぎのように決められる。
    λ=K∑ni=1(LiQii)/∑ni=1LiQi
    ここに, Kは粒付数である。
  • 佐藤 守, 高橋 幸吉, 植松 勉, 大畑 貫一
    1981 年 50 巻 5 号 p. 409-414
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    クワ縮葉細菌病菌 Pseudomonas syringae pv. mori の分離用選択培地, PM-1およびPM-2が開発された。本培地組成は, 炭素源としてサッカロース (PM-1) あるいはソルビトール (PM-2), 選択性物質としてフェノールレッド, メチルバイオレット, フェネチシリン, アンピシリン, セチル・メチル・アンモニウムブロマイド, 塩化カドミウムを含む。
    両培地における平板効率は比較的高く, また全国斉地産の本菌のすべての菌株がPM-1に生育し, そして大部分の菌株がPM-2に生育した。選択培地における本菌の集落の形態は, 特徴的であり, 他の土壌微生物のものと容易に区別できた。
    非殺菌土壌に本菌を注入し, 再分離する方法で本培地の検出精度を調べた結果, 既知の培地では土壌1g当たり104個の本菌を検出できないのに対し, 本培地では102個の本菌を検出することができた。
  • 斉藤 裕行, 諸橋 征雄
    1981 年 50 巻 5 号 p. 415-421
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    桑種子の25℃における発芽は, 赤色光 (R) によって促進され, Rの促進効果は, 近赤外光 (FR) の照射によって打ち消された。そして, これら二つの光の効果には明確な可逆性が認められた。したがって, 桑種子の発芽には, フィトクロームが関与している事は明らかであると考えられた。
    また, 桑種子の発芽は, 低温処理 (5℃) によっても促進された。この低温処理の効果は, R, FRのいずれの光を照射しても認められたので, 低温の効果は, フィトクロームの発芽制御の作用とは異ったメカニズムによるのではないかと推測された。
  • 卯野 忠子, 磯貝 彰, 鈴木 昭憲, 白田 昭
    1981 年 50 巻 5 号 p. 422-427
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    桑根皮中に含まれる生物活性物質の検索を試み, い, 有用な知見を得た。
    乾燥桑根皮 (Morus alba L., 品種: 一ノ瀬) 12kgをエチルアルコールで抽出し, クロロホルム可溶部から, 5,7-dihydroxychromone (1) 22mgおよびethyl β-resorcylate (2) 25mgを単離した。
    これらの物質について, 植物病原菌を主とする, 2物質を単離・同定し, また抗菌活性の検定を行28種の糸状菌および7種の細菌に対する抗菌力の検定を行った。(1) は, 選択的な活性を示し, 6種の糸状菌および3種の細菌に抗菌活性を示したが, (2) は, 供試糸状菌のすべてに, また5種の細菌に抗菌活性を示した。
  • 仁科 祥次郎, 松野 瑞彦
    1981 年 50 巻 5 号 p. 428-434
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    クワ胴枯病の伝染源として最有力と思われるクワ胴枯病に罹病した伐採枝条からの柄胞子および子のう胞子の飛散数の季節的変動を調査するとともに, 気象要因との関係を検討した。
    1. 柄胞子のうちA-胞子は4月下旬頃より飛散が認められ, 6月下旬から7月上旬頃の梅雨期にピークに達した。その後, 漸減したものの10月下旬頃まで低レベルでの飛散が認められた。地表面の日陰に放置された枝条からの飛散が特に旺盛であった。
    2. A-胞子の飛散は降雨の日に集中した。そしてA-胞子の飛散数と降水量との間に正の相関が認められた。なお降水量に最大風速を乗じた場合との間では, 多少相関係数が高くなった。
    3. 柄胞子のうちB-胞子の飛散数はA-胞子の約1/103程度と僅少であり, かつ飛散開始の時期も遅く, その後の飛散も断続的であった。
    4. 子のう胞子は8月上旬頃より飛散が認められ以後, 秋期に漸増する傾向が認められた。地表面の日陰に放置された枝条からの飛散が目立った。
    5. 子のう胞子の飛散は降雨の日に限られた。そして子のう胞子の飛散数と降水量との間に正の相関が認められた。
  • 幼虫脱皮期のチロシン濃度の変動について
    木口 憲爾, 木村 滋
    1981 年 50 巻 5 号 p. 435-443
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    家蚕における幼虫斑紋の着色機構とJH作用との関連性を究明する目的で, 幼虫脱皮期における幼虫諸組織中の色素原 (チロシン) の変動およびそれに及ぼす合成JHならびにエクジステロンの投与効果を検討した。
    (1) 4齢食桑期間中, 脂肪体に含まれる遊離チロシン量は急増し, 総遊離アミノ酸中に占めるチロシンの割合は apolysis 完了時に最高に達した。Apolysis 後, 脂肪体量の減少とともに, 脂肪体中に含まれる遊離チロシン量も急激に減少した。
    (2) 血液中のチロシンは, apolysis 完了後急激な増加を示し, 脱皮数時間前に最高に達した後激減した。
    (3) 体壁中のチロシンは apolysis 前後には顕著な変動は認められないが, 脱皮時に特徴的な減少がみられた。
    (4) 幼虫脱皮期初期におけるJHの注射はその後の血液および体壁中のチロシンの消長に影響を及ぼさなかった。
    (5) 5齢起蚕にエクジステロン (20μg/幼虫) を投与することにより, ホルモン投与後12時間以内に血液および体壁中のチロシン含量が急増した。しかしながら, 両組織中のチロシン含量は正常な幼虫脱皮期にみられるチロシン量に比して明らかに少なかった。
    (6) 以上の結果から, 幼虫脱皮期に増加する血液中のチロシンは主として脂肪体から供給され, その後クチクラ形成およびメラニン形成に利用されるものと推察された。また, 脂肪体から血中へのチロシン放出は脱皮ホルモンの制御下にあり, この過程にJHは関与していないものと思考された。
  • 木村 滋
    1981 年 50 巻 5 号 p. 444-452
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    家蚕の血液中に存在するα-マンノシダーゼ (EC, 3.2.1.23) を精製し, 酵素学的性質を調べるとともに変態に伴う活性の変動を明らかにした。
    1. α-マンノシダーゼは血液より硫安分画, DE-AE-およびCM-セルローズカラムクロマトグラフィーを組合せて, 収量45.4%で比活性4,639倍に精製した。
    2. この酵素の至適pHは4.5で, p-ニトロフェニルα-D-マンノサイドに対するKm値は3.1×10-3Mであった。酵素活性生はHg2+およびCu2+によって阻害されず, Zn2+によって賦活されなかった。
    3. 酵素活性は, 血液において5齢幼虫期間中ほぼ一定であったが, 変態期における中腸皮膜組織および脂肪体のそれぞれの活性は顕著な変動を示した。なお, 同時に測定したβ-ガラクトシダーゼ (EC, 3.2.1.24) およびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼ (EC, 3.2.1.30) の活性変動はこの酵素と必しも一致しなかった。
    4. 以上の結果に基づき, α-マンノシダーゼの生体内での役割について考察を加えた。
  • 高橋 澄雄, 上田 悟
    1981 年 50 巻 5 号 p. 453-456
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    人工飼料育蚕の5齢4日目の体温を桑葉育蚕と対比して測定し, 概要つぎの結果を得た。
    1. 同一室温においても人工飼料育蚕は桑葉育蚕より体温が低く, その程度は気流によって大きく影響された。すなわち無気流下における蚕体温は桑葉育では室温より僅かであるが高かったが, 人工飼料育では室温より1℃未満低かった。10cm/secの気流下では蚕体温は桑葉育では室温より1℃内外, 人工飼料育では2℃強も低くなった。
    2. 飼育室温が蚕体温に及ぼす影響をみると, 桑葉育では25℃より30℃において室温と蚕体温の差が大きかったが, 人工飼料育では有意差を認めなかった。
    2. 飼育室内の温度, 気流は蚕座中の桑葉や人工飼料に影響して蚕座内の微気象条件を作り出し, その結果としての蚕座温によって蚕体温は支配されると推論した。
  • 石原 廉, 二階堂 秀樹
    1981 年 50 巻 5 号 p. 457-458
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • II. 体重増加量の経時変化
    黒田 秩, 住岡 秀司, 吉武 成美
    1981 年 50 巻 5 号 p. 459-460
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 今西 三好
    1981 年 50 巻 5 号 p. 461-462
    発行日: 1981/10/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 50 巻 5 号 p. 464
    発行日: 1981年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
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