日本蚕糸学雑誌
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54 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 塩崎 英樹
    1985 年 54 巻 2 号 p. 91-100
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 高林 千幸
    1985 年 54 巻 2 号 p. 101-107
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    自動繰糸機において, 接緒桿の作動状態から有効接緒効率を推定する装置をマイクロコンピュータを用いて構成した。この装置の性能を確かめるため自動繰糸機において計測実験を行ったところ, 人手を全く要せず真の有効接緒効率に近似した値を時系列的に演算・表示および印字できることが確認された。
  • 藤原 公
    1985 年 54 巻 2 号 p. 108-111
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    1970年から1975年に関東甲信越等9県下の種繭養蚕の蚕蛾から採集した微胞子虫は, 分離株を基準として, M12, M13, M14, M25, M27, M32及びN. bの分類群に類別された。微胞子虫の胞子形態は, 試料間で変異があったが, 分類群とは関連性があり, 胞子形態の特徴からそれの分類群の推定が可能であった。N. b群に分類した微胞子虫試料では胞子形状において試料間差異があり, 胞子長幅率では2峰型分布であった。N. b群及びM27群の微胞子虫は検出例数が多く広地域で発生が見られたが, その他の分類群の微胞子虫では限られた地域で発生が見られた。
  • 絹の放射線グラフト加工に関する研究 第3報
    塚田 益裕, 青木 昭
    1985 年 54 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    γ線照射した未精練絹糸および精練絹糸の色調変化を定量的に把握するため, 色差計による測定を行うとともに, モノクローム写真による色調変化の表現方法について検討した。照射処理により絹糸は黄変するが, この変化の程度を強調して撮影するには白色光のもとよりも, 366nmの波長を有する光源のもとで2BおよびSC56フィルターを併用することが有効であった。未精練糸, 精練糸ともに初期の照射によりb/Lは急激に増加するが, 増加の割合は次第に小さくなった。未精練糸のb/Lの値は精練糸に比べて約2倍大きな値を示した。
  • 藤原 公, 香川 敏昭, 安藤 博司
    1985 年 54 巻 2 号 p. 117-121
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    種繭養蚕の蚕蛾から分離したNIS-520 (埼玉), NIS-408 (群馬), NIS-611 (愛媛) 及びNIS-402 (福島) 株の微胞子虫は, 分類上 Nosema 属に属し, 蚕において全身感染性及び経卵巣伝達性を示し, 病原性も高く, 微粒子病原虫保存株との相似性が認められた。胞子形状, 原虫増殖性及び病原性では保存株と分離株, または分離株間で若干の相違性が認められた。
    分離株は, 保存株との相似性から, 蚕業上は微粒子病原虫として扱うべきであると考えられる。
  • 河口 豊, 末永 博, 藤井 博, 坂口 文吾
    1985 年 54 巻 2 号 p. 122-127
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    卵形成過程における包卵細胞の変化を腎臓形卵と正常卵について比較観察した。コリオン分泌開始以前 (stage 4) の包卵細胞の形は両者共に角柱状を呈し, 細胞表層部域における差異は全く認められない。コリオンの分泌が開始されると (stage 6以降), 両者の包卵細胞に変化が生じ, 包卵細胞の卵表面に局所的変化が認められるようになる。とくに, ki卵では胚域側の包卵細胞が長軸方向へ異常に肥厚伸長するが, 正常ではこのような特徴は認られない。この時期になると正常卵ではその卵形はカイコ卵固有の形となり, ki卵では典型的な腎臓形を呈するようになる。
    以上の観察結果からki卵の胚域側の包卵細胞の異常がコリオンタンパク質の合成, 分泌ならびに卵殻構築になんらかの影響を与え, ki卵特有の形態を生じるものと推察した。
  • 画像処理による繊度の計測制御に関する研究 (第1報)
    西出 照雄, 大浦 正伸
    1985 年 54 巻 2 号 p. 128-133
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    画像処理手法を応用して, 生糸の幅 (μm), 繊度及び表面形態を連続して計測する方法とシステムの開発を行うとともに, 試作装置の基本的な計測機能について検討を行なった。糸条の光学像の検出・伝送はレンズ系と光ファイバを六方稠密に配列したファイバ束とで構成したイメージガイドで行い, ITVカメラで光学像を電子画像信号に変換する。この電子信号に対しラインサンプリング等の電気的諸処理を実行し, 糸幅と近似的な繊度値を自動的に算出する。このようにして次々に得られる糸幅, 繊度, 糸条像はモニタTVに出力されて視覚による繊度情報が得られ, また計測結果はTTLレベルのデジタル及び電圧量の信号 (0~10V) としても得られる。この方法に従って試作構成した諸装置の基本的な計測機能について検討した結果, 本計測系は糸条の静止, 走行の状態に拘わらず所期の機能を発揮できることが確認された。
  • 今西 重雄
    1985 年 54 巻 2 号 p. 134-137
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    家蚕人工飼料の光照射による飼料価値低下の原因は油脂の変質にあると考えられている。そこで, 油脂の変質機構について検討を行った。その結果, 光照射により油脂が過酸化物に変質する主な原因に飼料成分の桑葉粉末と大豆油が関与することを認めた。桑葉粉末のアセトン可溶画分, ホウレンソウから抽出した粗葉緑素, 市販品の葉緑素, クロロフィル銅カリウム塩, ローズベンガルをそれぞれ添加した準合成飼料では光照射により油脂の過酸化物が生成した。しかし, これらを含まない準合成飼料では光照射の有無にかかわらず過酸化物はほとんど増加しなかった。従ってこれらの色素は飼料中の油脂を酸化変質させることが認められた。飼料のpHが低値ほど油脂の過酸化物は増加することが有機酸および無機塩混合物などの飼料成分の検討から明らかになった。アスコルビン酸は飼料中の油脂に抗酸化効果を示すことが認められた。以上の結果から, 飼料中の油脂は桑葉粉末の葉緑素および飼料の低pHの関与のもとに過酸化物に変質したことが考えられた。
  • 黄色 俊一, 田村 博
    1985 年 54 巻 2 号 p. 138-142
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    遺伝学的には4眠蚕とみなされる家蚕の, 1~3齢幼虫に幼若ホルモン剤“マンタ”を噴霧投与し, 早熟3眠蚕および過剰脱皮5眠蚕を誘発した。“マンタ”の有効成分は methoprene であるが, 早熟3眠蚕の誘発に有効な methoprene 濃度は, 2~20ppmであった。50~80ppmの高濃度の methoprene 投与は3眠蚕の分離を抑制する結果となり, これらの実験結果から, 多量の methoprene を投与すると過剰脱皮5眠蚕が誘発される可能性が示唆された。そこで, 3齢期の幼虫に対して高濃度 methoprene 投与の試験を行い, 100~200ppmの methoprene 投与によって, それぞれ7.7~15.2%の過剰脱皮5眠蚕が誘発された。上述の結果は, 昆虫の発育における内分泌制御のフィードバック機構の解明に, 有効なデータとなりうるものと考えられる。
  • 道明 美保子, 大久保 球子, 清水 慶昭, 木村 光雄
    1985 年 54 巻 2 号 p. 143-148
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    絹を酸性染料で染色するときの尿素添加の影響を調べた。用いた酸性染料は5種類で, pH4または5, 30℃または50℃で染色した。
    尿素添加により染色速度が増加する場合と, 逆に低下する場合とがある。尿素による絹の膨潤効果は殆どないことがわかったので, 尿素の働きには (1) 染料の脱会合と, (2) 染料-絹間結合の切断の2つの作用が考えられる。
    水に対する溶解度が非常に大きい染料の場合には, 水溶液中で単分子もしくはそれに近い状態で存在するから, 主として (2) の作用が強く利いて, 染色速度は減少する。染料の疎水性が大きくなると, (1) の作用も同時に働き, 染着に有利になり, 結果として染色速度は増加する。このとき適度の脱会合作用が染着には有効であって, 尿素濃度が高すぎると却って染色速度が低下することになる。
  • 福原 敏彦, 浜野 国勝
    1985 年 54 巻 2 号 p. 149-153
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    第12・13神経節を摘出した蚕児では, 小腸と直腸の収縮運動が停止し, 肛門括約部が完全に開いた。蚕児は摂食を続けるにもかかわらず, 小腸から結腸への内容物の輸送や排糞が停止しお。そのため, 中腸後部と小腸には内容物が充満し, 後方に伸長した。直腸もしばしば膨満状態を示した。結腸には殆んど内容物がなく, 圧縮された状態であった。第12・13神経節から後方に走り後腸に分布する一対の神経を切断した場合にも, 上記と同様な結果が得られた。対照として第11神経節を摘出した蚕児では, 腸管運動と内容物の輸送は正常に行われた。第12・13神経節あるいはこれより後方に走り後腸に分布する神経を電気刺激すると, 刺激パルスの間隔に応じた律動的収縮が直腸に認められた。以上の結果から, 小腸と庫腸の収縮運動は第12・13神経節から後方に走る神経の支配を受けていると考えられる。
  • 真浦 正徳, 吉武 成美
    1985 年 54 巻 2 号 p. 154-158
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    人工飼料育における5齢期の明暗が, 蚕の飼料摂食ならびに発育成長に及ぼす影響について検討した。
    4齢まで暗で飼育し, 5齢期に全明, 全暗, および24時間ごとに明-暗または暗-明を繰り返す光条件を与えて飼育したところ, 日別食下量, 消化量および日別体重増加量は, いずれの光条件下でも, 5齢経過に伴い, 放物線に沿った推移を示した。
    また, 明-暗および暗-明繰り返しの2区におけるそれらの推移をみると, 暗相での推移が常に明相でのそれを上回っており, 飼料の摂食ならびに体重増加は, 明相におけるより暗相において活発であることがわかった。
    しかし, 明飼育では, 暗飼育に比べて経過が延び, 5齢期間中の食下量および消化量が暗飼育の場合と大差がなくなり, 繭重や産卵性に及ぼす明暗の影響はほとんど認められなかった。
  • 尾暮 正義, 長沼 計作, 原島 典雄
    1985 年 54 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    クワとコウゾとの属間交雑による雑種植物育成の可能性を究明するため, これらの交雑を試みた。クワとコウゾとの交雑において, クワを種子親に用いた場合は多くの完熟した椹が得られたが, 逆交雑では受粉後全部の花が落下ないしは萎凋した。着椹割合は種子親に用いたクワの品種・系統間で明瞭な差異がみられた。また, β-ナフトキシ酢酸の30~50ppm処理は着椹割合をかなり高めたが, ジベリン75~100ppm処理は著しく低下させた。クワ系統C 4081-G7の椹には1粒の種子も含まれていなかったが, 他の椹には多数の種子が含まれていた。得られた種子の大部分はしいなであり, 水々注ぐと水面に浮んだが, 沈むもの (沈種子) も含まれていた。この沈種子から発芽・生長した6個体について, 外部形態やアイソザイムパターンなどを調査した結果, いずれも属間雑種ではないことが判明し, クワとコウゾとの間に強い交雑不親和性が認められた。
  • 河野 清, 鈴木 健夫
    1985 年 54 巻 2 号 p. 165-166
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 榎本 末男, 岡 成美, 大山 勝夫
    1985 年 54 巻 2 号 p. 167-168
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 伊庭 正樹
    1985 年 54 巻 2 号 p. 169-170
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 54 巻 2 号 p. 171-172
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    ビニル系モノマーによる絹ゲラフトについて―Mn (III) アセチルアセトネートコンプレックスによるメチルメタクリレートのゲラフト重合
    発芽時のクワ枝条のアミノ酸, 炭水化物及びアデニン・ヌクレオチドの変動
    カイコ卵巣の蛹期における ecdysteroids の蓄積様式
    カイコの主要な血液蛋白質生合成のホルモンによる制御
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