日本蚕糸学雑誌
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70 巻, 1 号
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  • 菊田 治典, 五十嵐 倫子, 立林 千夏, 荻野 幸子, 村田 顕治
    2001 年 70 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    B. thuringiensis 野生株の serovar フローラとその分布を明らかにする目的で, 自然環境が良く保存され, 北海道低地の代表的な森林の野幌森林公園および特に樹木の保存が良好な酪農学園大学野外礼拝堂において, 調査地域を設定し, 各々200地点の区画した調査地点土壌から B. thuringiensis の分離を行い, B. thuringiensis の分布, 走査電子顕微鏡による副芽胞小体の形態および serovar の分布を明らかにした。1) 野幌森林公園からB. thuringiensis が39株分離された。分離された地点は17地点で調査地点の8.5%となった。17地点中14地点は1株しか分離されない低密度であった。分離株は, H5a5b, H16, H4a4c, H14で, H5a5bが約61%であった。副芽胞小体は走査電子顕微鏡で観察し, bipyramidal, bipyramidal & cuboidal, bipyramidal & cuboidal & irregular, irregular, cuboidal 型PIが確認された。この中でIL1-7-2株 (H3a3b) は基準株と異なり, bipyramidal 型PIではなく cuboidal 型PIを著しく多く産生する新しい菌株と考えられた。2) 野外礼拝堂周辺からは70株の B. thuringiensis が分離された。分離された地点は26地点で調査地点の13%から分離された。26地点中24地点では分離された菌株は4株以下の低密度であった。分離株は, H1, H3a3b, H4a4b, H5a5b, H6, H7, H8a8b, H10, H14, H16, H24a24bであった。これら分離株中60%がH5a5b, PIの形態としては, collapsed bipyramidal, collapsed cuboidal 型が観察された。この中でMR10-3-3, MR10-5-1, MR10-5-2, MR10-5-3, MR10-6-2, MR10-6-3およびML4-2-1の7株は基準株 (H3a3b) が産生するPIとは異なる cuboidal & irregular 型PIを産生するので新規性の高い菌株と判断された。
  • 西岡 孝彦, 中澤 賢, 周 家偉
    2001 年 70 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    繭の形状を与える余弦関数による回帰係数の項数は交雑種では3項, 中国種では個体により2項から4項, 日本種では3項あるいは4項で与えられる。また, 品種ごとに繰り返し採取された個体データをプールして解析した際に得られる項数はN512がa0からa6の4項を必要とする以外はa4までの3項で蚕品種固有の繭形状を表すことが出来る。したがって, 日本種, 中国種とその交雑種が営繭した繭形の品種に依存した固有形状はフーリェ級数展開によって得られる定数項a0と余弦の偶数項a2, a4, a6で表すことが出来る。
  • 白 倫, 王 建民, 周 韶
    2001 年 70 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    連続型解じょ糸長分布について, その解析と利用上の便利をはかるための特性関数を導き, その応用について検討した。特性関数の利用例としては繭糸上落緒率が一様に分布する条件のもとで, 解じょ糸長分布を, 指数分布と正規分布の混合分布に分解し表示する理論解析を試みた。
  • 白 倫, 王 建民, 周 韶
    2001 年 70 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    連続型解じょ糸長分布を, 指数分布と正規分布の混合分布の形に分解することについて検討した。その結果, 落緒部位分布と繭糸長分布から解じょ糸長の混合分布を簡単に推定できる方法を導いた。またコンピュータシミュレーション実験により理論結果などを検証し, その応用に関連する母数の推定などについて検討した。
  • 福井 邦明
    2001 年 70 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    多回育養蚕の普及とともにクワ栽培法が多様化し, クワの生育診断技術の開発が望まれている。本研究ではクワの生育モデルを作成するための基礎データを得るために, 変温条件下におけるクワの生育と乾物生産を調査した。1/2000aポットに植え付けた品種しんいちのせを, 1995年は34/22℃, 32/24℃, 30/26℃ (昼/夜) の変温条件下と28℃, 32℃の恒温条件下で, 1996年は33/19℃, 32/20℃, 30/22℃, 28/24℃, 26℃温度条件下で生育させた。両年とも, 温度処理終了時のクワの枝条長及び枝条乾物重量は, 処理区による違いが見いだせなかった。展開葉数は, 1日の平均気温が同じ処理区では異ならなかったが, 1995年の平均気温が異なる処理区間では有意差が検出された。従って, クワの生育は1日の温度変化によって影響されず, 1日の平均気温に支配されているものと思われた。また, クワの生育の指標として展開葉数が優れているものと思われた。
  • 宮島 たか子, 山本 俊雄, 間瀬 啓介, 飯塚 哲也, 野崎 稔, 木内 信
    2001 年 70 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    絹の新素材開発を目的に, イミダゾール系化合物のトリフルミゾールを投与して細繊度蚕品種の「はくぎん」及び「ほのぼの」の3眠化試験を行った。乾物重で140ppmのトリフルミゾールを添加した人工飼料を起蚕から3日間与えた場合の3眠化率は3齢ならびに4齢投与とも「はくぎん」は80%を越えたが,「ほのぼの」では30%以下と低かった。280ppm濃度になると両品種とも100%近い3眠化率を示すようになった。この「ほのぼの」の感受性が低いのは交雑親である日513号に由来することが分かった。3眠化率は4齢投与より3齢投与の方が高く, 全齢経過日数は3齢投与より4齢投与の方が短かくなった。3眠化蚕の繭糸質についてみると無投与区に比して繭層重の低下割合が最も高く, 以下, 繭重, 繊度, 繭糸長, 繭層歩合, 繭長, 繭幅の順になり, 繭幅より繭長の低下割合が高いので, 繭形が丸みを帯びるようになった。繊度は3齢投与で「はくぎん」1.36d,「ほのぼの」1.72d, 4齢投与で「はくぎん」0.99d,「ほのぼの」1.03d, と著しく細くなった。これらの3眠化蚕の産生する繭は繊度偏差も小さいので, 極細の高級生糸による差別化製品の開発や医療・工業用への用途が期待される。
  • 川上 裕司, 岩野 秀俊, 畠山 吉則, 井上 正, ELIZABETH U. CANNING, 石原 廉
    2001 年 70 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    The specific amplification by PCR using a pair of primers, KAI01 and KAI02 (KAWAKAMI et al., 1995) was reinvestigated as to its ability to distinguish microsporidia belonging to genus Vairimorpha, Pleistophora and Nosema. DNA samples from microsporidia of genus Vairimorpha or Pleistophora so far tested, three species of Vairimorpha and one Pleistophora, failed to produce PCR products by those primers. Of Nosema spp., N. apis, N. furnacalis, N. mylittensis and Nosema tyriae from cinnabar moth, Tyria jacobeae did not also produce any product. Microsporidian parasites isolated from silkworms infected with pebrine in the northern part of India (courtesy of Dr. A. K. Bansal) and in southern India (courtesy of Dr. KIYOSHI KAWAKAMI) and in China (courtesy of Dr. X. CHEN) gave PCR products by KAI01 and KAI02 primers. The results from our study suggest that PCR tests with the use of KAI01 and KAI02 primers are useful to distinguish highly virulent strains of N. bombycis in pebrine inspection.
  • 加古 武
    2001 年 70 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2001/04/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
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