昆虫工場のシステム化の一環として試作したカイコ用体液採取装置の高性能化を図るため,カイコ供給部等について試作装置の改良を行い,その作業性能について検討した。得られた結果は,以下のようになった。
1. これまでに試作した装置にカイコ5齢幼虫用の供給機を開発して付加すると共に把持器の改良等により,供給機,把持器付きコンベアチェーン,炭酸ガスレーザ,体液採取容器,冷却機等からなる自動カイコ体液採取装置を開発した。
2. 本装置は,カイコの供給,切開,体液採取,採取後の取り外しまでの一連の体液採取工程が機械化され,低温麻酔した5齢4~5日のカイコ幼虫からの体液採取は,1頭当たり2.5分弱で連続して行うことができた。
3. 供給機が無かった試作装置に比べて,作業人員は2人から1人に半減し,1人作業の見通しが得られた。
4. 体液採取量は,1頭当たりカイコ体重の12~13%程度であった。
抄録全体を表示