日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
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9 巻, 2 号
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  • 河村 正義
    1938 年 9 巻 2 号 p. 109-124
    発行日: 1938年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 小針 喜三郎, 金子 哲郎
    1938 年 9 巻 2 号 p. 125-143
    発行日: 1938年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1) 脱繭不能の状態には種々あるが其最も普通の例は、繭の外形上何の變化も認められないもので即ち吐出液を浸潤させた破風部繭層に頭部を僅かに押し込んだ儘留り唯繭層内面に小凹所を穿つたに過ぎないものである。
    脱繭不能の蛾は殆んど全部、翅が伸張せす又鱗毛が著しく剥脱してゐる。
    2) 脱繭不能は概して雌蛾に多く起り雄蛾に少ない。
    3) 一群の繭をa (繭の長さと幅との比即ち繭長/繭幅) の値に依つて階級に分ち、階級別に脱繭不能蛾の出現数を調査した結果は、aの値小、即ち球形なるに從つて雌雄何れに於ても歩合を増加する。即ち脱繭不能と繭形との間たは密接な關係が認められる。
    4) 人工的に縦作繭と横作繭とを作らしめ、各、に就て繭内に於ける蛹の方向轉換を行ひ、脱繭不能蛾の出現数を調査すると共に破風部繭層の厚さを測定した。其の結果は一般に脱繭不能蛾の出現の多少は破風部繭層の厚薄に比例することを知つた。
    5) 同一品種の一群の繭より選出せる球形繭 (a=1.21-1.36) と長形繭 (a=1.48-1.64) のとの間に蛹の交換を行ひ其の脱繭不能蛾の出現数を調査した。それによると、多少の例外はあるが球形繭の蛹は長形繭の蛹よりも脱出不能蛾を多出する傾向がある。しかるに何れの蛹を用ひた場合にも球形の繭は長形の繭に比し例外なく脱繭不能蛾の出現が多い。此の結果より脱繭不能が蛹よりも繭に依つて、より多く支配されることを知つた。
    6) 脱繭不能は蠶見の飼料並に羽化當時に於ける光と密接な關係がある。即ち5齢期の軟葉給與は硬葉給與より脱繭不能蛾の出現数を増加し、羽化當時に於ける光の遮断も亦其の出現数を増加せしめる。
    7) 一群の繭から球形繭と長形繭とを選出し、それから出發して其の各、に就て脱繭不能蛾を多出する系統と然らざる系統との淘汰を試みた。其の結果は第1代目に於て既に著しい效果を示し、其の後淘汰8代目に至る迄脱繭不能蛾の多い系統は毎代多く、少ない系統は毎代少ない。それ故少なくとも其の出現の多少は遺傅性に基くものと認められる。
    7) 脱繭不能蛾は脱繭に關與する繭の諸性質と蛾の脱繭能力との不均衡に基づいて生すると言へる。近來の蠶品種中特に多絲量の鮎に於て優良と認められるものに脱繭不能蛾の多出するのは、淘汰の結果其の繭層量の増加を來し、ために蛾の有する脱繭能力との間に不均衡を齎らした結果と考へられる。又淘汰過程中に於て蛹を繭から取出して採種することも、脱繭不能増加の一原因となるものと思はれる。
  • 筑紫 春生
    1938 年 9 巻 2 号 p. 144-165
    発行日: 1938年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 三郎
    1938 年 9 巻 2 号 p. 166-176
    発行日: 1938年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    以上の實験の結果を要約すること次のやうになる。
    (1) 一定伸長量を與へたる際に示す生絲の抗張力 (P・・・・g/den) は生絲の種類によつて大小の差異があるけれども夫等の抗張力と該生絲の8%伸長量に於ける抗張力との比をとつて見るとどの生絲でも略一様であつてその平均値は次の如きものである。
    (2) 或る伸長を與へたる際に示す生絲の反撥度 (Rn) は伸長量の増加と共に愈々増大するがその増加量は次第に幾分か減少する。又反撥度 (Rn) は生絲の種類によつて大小の差異はあるが而し各伸長量に於ける反撥度 (R1, 3, 3……13, 14) と該生絲の8%伸長時の反撥度 (R8) との比をとつて見ると生絲の如何に關係無く略ゞ一定して居るやうに見へる。即次の如きものである。
    (3) 生絲の岡硬度 (S) は伸長量を増すに從つて伸長量5.6%迄は急速に減少し7.8%以上に伸長するときは最早剛硬度 (S) に大なる變化が見られなくなる。之はセリシンの影響が無くなつた結果と見られる。而して或る伸長量を與へた場合に示す剛硬度 (Sn) は生絲によつて夫々大小の差があるけれども、夫等の剛硬度 (S1, 2, 3・・・・7, 8) と伸長量8%に於ける剛硬度 (S8) との比は何の生絲でも一定してゐるやうに見られる。即ち次の如きものである。
    (4) 生絲に於いては伸長量8%の際に示す抗張力、反撥度及剛硬度等を測定するときは、其生絲の各伸長量に於ける夫等の諸性質が、各伸長量に特有な而もどの生絲にも共通と見られる上述の係数を乗することによつて測定値に極めて近似な値を求めることが出來る。
    此處に伸長量8%の際に示す抗張力 (P8) 反撥度 (R8) 剛硬度 (S8) を何故に規準としたかについては、前述の如く8%伸長するときは最早セリシンが縦の方向には其影響を喪失することが反復伸長曲線の上からも亦剛硬度の数値上よりも確認し得るが故で、此程度の伸長量に於いては先づフィプロィンの性質と見られるからである。
  • 大久保 勝治, 佐々木 譜三, 保 虎太郎, 村尾 静夫, 代 永宏, 岩崎 忠, 味岡 秀夫, 佐々木 静, 長谷川 金作, 石森 直人, ...
    1938 年 9 巻 2 号 p. 178-188
    発行日: 1938年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    桑園酸性土壌に關する試験
    桑樹の托葉に關する研究 (豫報)
    桑の赤澁病菌は必ずしも越冬するとは限らない
    僂病發現に關する實験的研究Vit.A.D.及蛋白質の缺乏せる佝僂病性飼料に對する批判
    桑葉並に蠶體脂質の研究桑葉のPhytosterin
  • J. J. BOUNHIOL, H. PRELL, H. BERRIER, A. PAILLOT, 奥正 己, 廣瀬 ご郎, 加藤 清時, ...
    1938 年 9 巻 2 号 p. 189-196
    発行日: 1938年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    食道側腺を除去せる家蠶幼蟲の變態
    鱗翅目幼蟲の腦別出と化蛹との關係
    幼齢期に昆蟲が變態しないのは食道側腺の爲であらう
    家蠶幼蟲の砒素に依る毒殺
    家蠶の發育中に見られるオーキシン型の物質に就て
    眠中の家蠶脂肪體並に外胚葉性組織に關する細胞學的研究
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