油溶性ポリマーの水/油界面への競争吸着現象を, 主として水/トルエン界面を用いて, du Noüyのring法による界面張力から検討し, かかる競争吸着は界面張力 (γ
W/T) をより低下させるポリマーが, 常に, 優先的に界面に吸着するという現象であることを明らかにした。次に, 相分離系におけるα-Fe
2O
3の偏在現象をγ
W/T, あるいは, 0.1
NKOH水溶液/トルエンの界面張力 (γ
*W/T) から検討し, ポリ酢酸ビニル, ポリアクリル酸エチル, ポリメタクリル酸メチル, ポリスチレン, エチレン-酢酸ビニル共重合体などの非電解質ポリマーではγ
W/Tの小さいポリマー相へ, スチレン-アクリル酸共重合体のような電解基を含むポリマーではγ
*W/Tのより小さいポリマー相へ, α-Fe
2O
3が偏在することを明らかにした。さらに, 従来から検討してきた劣化SBRについては, その分子内におけるCOOH基について特に着目し, α-Fe
2O
3の偏在能にSBRが特異的に挙動することをさらに裏付けた。
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