ポリメタクリル酸メチル (PMMA), ポリ酢酸ビニル (PVAc) およびポリスチレン (PS) に, ガラスビーズおよびマイカを充てんさせた系について, 動的粘弾性研究を行った. 充てんによる主分散温度の上昇 (Δ
Tα) は, 高分子一充てん材系によって異なる. 換算変数法によって合成曲線を求め, 分子鎖の屈曲性と関係のあるパラメーター
nをlog
E′ (υ
aT) = (log
E1+log
E2) /2の値における傾斜より求めた (
E1および
E2は, それぞれlogυ
aT=6および1における値を示す). 未充てん試料からの
nの減少率とΔ
Tαは, 同じ充てん材のとき, 高分子の種類と無関係に直線関係によって与えられる. 活性化エネルギーの温度依存性および緩和スペクトルから, 充てん材による高分子運動の束縛の程度は, 充てん材界面と高分子鎖との接着に依存すること, そして充てん材界面の影響を受ける高分子マトリックスの範囲はかなり大きいことが判明した.
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