物理的ならびに化学的に安定な合成高分子であるポリスルホンから, 優れた性能をもった限外濾過膜を作るために, 製膜条件について検討した。溶媒として
N-メチル-2-ピロリドンを用いた. ポリマー濃度が15%のキャスト液をガラス板上に流延し, 60℃, 15分間溶媒を蒸発しで得られた膜は, 102
l/m
2・hr (4kg/cm
2, 20℃) の透過流束を有し, ポリエチレングリコール (
Mw=20000) の排除率は97.2%で, 分画分子量が20000の限外濾過膜としてよい性能を示した. また, この膜について, ビタミンB
12, チトクロームC, PEG (
Mw=20000) ならびにヘモグロビンを使用して調べた排除率は, それぞれ26.1, 49.1, 97.2および98.2%であった. また, 1
N-HClと1
N-NaOHを用いて, この膜の耐酸・耐アルカリ性を調べたところ, 約1ヵ月以上各々の溶液に膜を浸せきしても, その膜特性は安定であった.
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