各種エチレン含量のエチレンービニルアルコール共重合樹脂 (EVA) 試料を用い, 溶融成膜時の分子配向以外に延伸および熱処理を受けていないフィルムを作製後, 圧力法により酸素ガス透過係数 (
P) を求めて各物性との関係を考察した. 低湿度下では, エチレン含量30mol%以上のEVAの
Pの対数値はエチレン含量とともに直線的に増大し, 高湿度下では, ポリビニルアルコール (PVA) および低エチレン含量のEVAは, 水分子の吸着に基づく分子運動性の増大により
Pは増大する. 酸素ガスの拡散, 透過の過程は, 空孔の大きさによって律速されることを考慮して, 共重合体の
Pと成分組成の容積分率の関係を導き, ランダム共重合体では
ln
P=
V1・ln
P1+
V2・ln
P2の関係が成立することを示した.
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