Pervaporation透過装置を用い, セロハンによる
n-ブチルアミン-水混合液体の透過速度と分離係数が測定され, 全透過速度は水の組成40wt%のところで極小値を, また分離度αは水の組成60~70wt%のところで極大値を示す結果が得られた. この原因は, 混合液体における各成分の透過速度が他の成分の存在によって抑制効果を受けるためである. Pervaporationによる透過が水力学的透過の延長線上にあると考え, Paulらの溶解拡散メカニズムを用いた場合,
n-ブチルアミン-水混合液体における透過速度の急激な変化は膜中への液体の溶解度の変化によってもたらされたものでないことが明らかとなった. また, Pervaporationの透過においても, Paulらの水力学的透過の膨潤膜に対する取扱いと同じように, 透過に対して流体力学的因子の寄与が非常に大きいという結果が得られた.
ηD/
Tの値が温度依存性を示すことから, 輸送過程のエネルギーに高分子-液体間の相互作用が寄与していることがわかるが, これは膜-透過液体が非常に水素結合しやすいためである.
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