ポリ (
L-メチオニン) を液体アンモニア中, ナトリウムにより種々の条件で還元し, ホモシステイン残基をそれぞれ11, 19, 26, 44, 72, 81および88%含む7種類のコポリ (
L-メチオニン,
L-ホモシステイン) を合成した. ホモシスティンへの変換率が80%程度以内ならば, 比較的温和な条件で任意の比率のコポリマーが再現性よく得られる. 各種有機溶媒に対する溶解性は, ホモシスティン含量の増加とともに低くなるが, メタンスルホン酸, トリフルオロメタンスルホン酸には全試料とも可溶性である. 各試料の溶液中での構造を, 粘度および旋光分散により調べた結果, メタンスルホン酸中ではほぼランダム構造, またジクロル酢酸中では多少のα-ヘリックス構造を含むランダム構造であることが明らかとなった. また, 各試料の固体状態での構造は, 赤外吸収スベクトルによりいずれもα-ヘリックス構造とβ構造が混合している結果を得た.
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