数平均分子量
Mn=1500のポリ (オキシ-1,4-ブチレン) グリコール [G1500] をソフトセグメントに用いたポリエーテル・ポリエステルエラストマー [T-G1500] について, 示差走査熱量測定 (DSC) を行った. ポリ (オキシエチレン) グリコール [E1540] を用いた前報でのT-E1540と対比し, ソフトセグメントの種類, 結晶状態, ハードセゲメントとの相混合の程度などの変化が熱的挙動に及ぼす影響を論じた. 溶融状態から冷却すると, T-Eより相溶性の低いT-Gは相凝離を生じやすく, ソフトマトリッケス中におけるハードドメインの凝集度は高い. 相凝離の進行はハードセグメントの結晶化度を高くし, ソフトセグメント束縛の効果を強める. この作用はT-Gが大きい. T-Gでは結晶化条件の変化に伴うソフトセグメントのガラス転移温度 (
Tg) の変動は小さい. T-G, T-E間の熱的挙動の相違は, 主としてGおよびEのハードセグメントに対する相溶性の差と, G, E両鎖の結晶性の差に起因する.
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