リン酸系カップリング剤 (III) により表面改質した炭酸カルシウム (II) 充てんポリプロピレン (I) 機械的特性 (破断伸び, 引張弾性率) 及び流動性について検討した. その結果, 破断伸び及び流動性においては, 物性の改善が期待できるが, それは高分子フィラ界面における (III) 相の働きによる滑剤的効果, ならびに界面の応力集中の減少から生ずる界面での密着性に要因がある. 一方未処理 (II) においては, 相対弾性率 (
Er) は, (II) の体積分率 (φ
2) とともに増加するが, (III) 処理 (II) では,
Erは, (III) の体積分率が3.4vol%で, φ
2とともに減少した. さらに, (III) 処理 (II) 充てん (I) は, 未処理に比べて, 減衰 (tanδ) がより多く発現するが, その減衰の増加は, (II) のφ
2に相関性があることが認められた.
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