ポリメタクリル酸-銅錯体は, H
2S処理により, 著しく導電性が向上することを見いだした. ポリメタケリル酸と塩化第二銅水溶液の反応生成物及び, そのH
2S処理物を, X線回折, 赤外線吸収スペクトル, 化学分析, 光学顕微鏡観察により分析し, そのH
2S処理物の導電性を測定した. 反応時のpHによって, (PMA) -銅錯体が生成するとともに, CuCl
2・3 [Cu (OH)
2] 及びCu
4 (OH)
6. Cl
2・3H
2Oの銅の水酸化物が副生することが見いだされた. この生成物は, H
2S処理により, CuSを生成した. H
2S処理した生成物の直流による比抵抗は, その処理の程度により, log (ρ/Ω・cm) で示して, 2.5から5.8の間で変化し, この導電性は, 高導電性物質であるCuSの寄与によるものであることが明らかとなった.
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