エチレンービニルアルコール共重合体 (EVA) を, ホルムアルデヒド (FA化), アセトアルデヒド (AA化),
n-ブチルアルデヒド (BA化) によってアセタール化 (AC化) し, AC化による水の吸着, 透過および拡散の変化を検討した. 結果は次のとおりである. (1) EVAのAC化物の吸湿曲線は, いずれもシグモイド型を示し, BET式で計算される単分子層吸着ははAA化EVA>FA化EVA>BA化EVAの順に多かった. (2) ポリマー水相互作用係数χ
1は, AA化EVAが最も低い値をとった. (3) AC化によって透過係数Pは増加したが, この増加は拡散係数Dが大きくなることによる. (4) 低湿度領域では主に水分子によるOH基の水素結合切断が効果的であるためにDは湿度と共に上昇するが, 高湿度になると水分子がクラスターを形成するためDは上昇しなくなり一定植を示すようになる. (5) このDの一定値を示す時の湿度, これは単分子吸着層形成時の湿度と考えられるが, この湿度におけるDの対数とAC化度との間に直線関係が成立した.
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