-78℃でβ-propiolactone (PL) を放射線固相重合させた時, 重合収率は50kGyまで照射線量とともに増加した (50kGyで22%). しかし, 50kGyから200kGyの照射線量範囲での重合収率の増加分はわずか3%であった. poly (PL) の
In Vivo分解率は. 圧融着法 (200kg/cm
2, 50~75℃の条件下で加圧-加熱溶融処理) によって成形した円柱状ポリマーをウィスター系ラットの背中皮下に埋入することによって調べた. 例えば, 5,10,50,100,160, そして200kGy照射によって得たポリマーの20週埋入時での
In Vivo分解率は, 上記順序において5,9,25,34,37, そして40%であった. これらのポリマーの粘度 (
nsp/
c値) は照射線量の増加に伴い減少する傾向を示した.
nsp/
c値と
In Vivo分解率の関係から. ポリマーの
In Vivo分解率が0.4d
l/g付近の
nsp/
c値 (30kGy照射) に変曲点をもっていることが分かった. すなわち, 0.4d
l/g以下の領域 (30kGy以上の照射) におけるポリマーの
In Vivoの分解速度はわずかな粘度減少で著しく加速された. 反面, 0.4d
l/g以下の領域 (30kGy以下) では, そのような加速効果が顕著でなかった. したがって, 低温放射線重合によって得たpoly (PL) の
In Vivo分解速度は照射重合時でのポリマー鎖の切断によって加速されると結論した. 一方, X線回折パターン及びDSC測定データは,
In Vivo分解がポリマーの結晶性の乱れ及びポリマーの融点低下とも関係していることを示した.
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