ポリプロピレン (PP), フッ素化エチレンプロピレン (FEP) -テフロン, ポリフッ化ビニリデン (PVDF) 及びフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンの共重合体 (VDF/TrFE) を室温において種々の直流電圧 (
Ep) を印加して分極し, それらエレクトレットの曲げ圧電率 (β
331) を測定した.
PPの未分極及び
Ep=1.4×10
7V/mで分極した後のβ
331は, 0.53×10
-10C/m及び2.38×10
-10C/mの値が得られ, そのβ
331の値は
Epの増加に伴い増加した. FEP-テフロンの場合,
Ep=3.8×10
7V/mの下でβ
331は7.4×10
-10C/mの値が得られた. (VDF/TrFE) (組成比65/35) 共重合体の場合,
Ep=1.4×10
8V/mの下でβ
331は20.3×10
-10C/mの値が得られた. これらに対して, PVDFの場合,
Ep=1×10
8V/mの下で分極しても曲げ圧電性はほとんど観測されなかった.
PVDFや (VDF/TrFE) 共重合体を分極後, 両極を短絡すると, 大きな放電々流が現れ, それらの電流値はPPやFEP-テフロンでの同種実験で現れる放電々流よりも著しく大きい. これらの結果に基づいてポリマーエレクトレットの曲げ圧電性の発生機構を検討した.
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