高精度 (±1%RH) な容量型湿度センサを開発するため, 高分子感湿材料の探索を行った. 高精度な湿度センサに用いる感湿材料の必須条件は, 吸脱湿過程でのヒステリシスが小さいことであり, 第1報 [高分子論文集, 46, 169 (1989) ] で述べたように, ポリ酢酸ビニル (PVAc), ポリメタクリル酸メチル (PMMA), 酢酪酸セルロース (CAB) は, 吸脱湿過程のヒステリシスが1.5%RHと小さく, 有望な感湿材料である. 上記の三種の高分子感湿材料について, その感湿特性 (容量値対湿度特性) の温度依存性を5~40℃範囲で調査したところ, CABは, 感湿特性の温度依存性が-1%RH/10℃と最も小さく, 優れた感湿材料であることがわかった. また, これら三種の感湿材料について, 吸着水分量を測定し, 感湿特性と比較することで, 感湿機構について考察した. CABにおいては, 吸湿水分量はほぼ相対湿度に比例し, その感湿特性は, 吸着した水の層が感湿膜の表面に対して垂直に存在するというモデルによって, 説明可能であった.
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