互いに非相溶な三種類のポリマー (A, B, C) を溶融混練する際に形成される多相構造についてNeumannの三角形の概念により考察した結果, Cが主成分で連続相となる場合に限定しても, (1) A in B様式のカプセル型混成粒子, (2) B in A様式のカプセル型混成粒子, (3) A-B付着型混成粒子, 及び (4) A, Bの分離分散型粒子の計4種類の形態を取りうることがわかった. この結果を検証するため, ポリカーポネート/ポリブチレンテレフタレート/スチレンーアクリロニトリル共重合体の三成分系について, A, Bポリマーフィルムの間にCポリマーの小片をはさみ, 溶融状態で等温熱処理した後, 断面観察を行った. これよりNeumannの三角形のcosθを求めて相形態を予測すると, Hobbsらの混練実験結果 [
Polymer, 29, 1598 (1988) ] と良好に一致することがわかり, cosθによる考え方の妥当性が確認された.
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