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N-アセチルアミノ安息香酸を一成分とする3成分系サーモトロピックコポリエステルアミドを合成した. ジカルボン酸成分として4~12のアルキレン鎖を持つα, ω-ビス (フェノキシ) アルカン-4, 4'-ジカルボン酸, ジオール成分として4, 4'-ジアセトキシビフェニル, アミン成分として
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N-アセチルアミノ安息香酸を用いた. その他のジオール成分としてヒドロキノンジアセタートを持つポリマーも合成した. 得られたポリマーは, DSC, 偏光顕微鏡, X線回折,
13C NMRなどによって構造解析を行った. アミド結合形成のために加えた
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N-アセチルアミノ安息香酸の増加に伴って得られたポリマーの
Tmは低くなり, ジカルボン酸体のアルキレン鎖を長くしたポリマーの
Tmも低くなることがわかった. X線回折の結果からα, ω-ビス (フェノキシ) アルカン-4, 4'-ジカルボン酸, 4, 4'-ジアセトキシビフェニル, 及び
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N-アセチルアミノ安息香酸から成る3成分系サーモトロピックコポリエステルアミドは80~85%の高い結晶化度を持つポリマーであることがわかった. 本研究で得られた3成分系コポリエステルアミドは典型的なネマチック液晶性を示すことが, 偏光顕微鏡観察から明らかとなった.
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