架橋ポリスチレンスルホン酸系のイオン交換体内のNa
+イオンおよび水の動的挙動についてNMR法により検討した. 水に浸したナトリウム型のイオン交換体の樹脂相内のNa
+イオンおよび水の拡散定数をパルス磁場勾配NMR法により測定した. その結果, イオン交換体内のNa
+イオンおよび水分子の拡散は, 水溶液中のNa
+イオンおよび水分子の拡散に比べて5, 6倍程度遅くなっていることが判明した. 温度を変化して拡散定数を測定したところアレニウスの関係を示したので, 拡散の活性化エネルギーを求めた. さらに, Na
+イオンおよび水のNMRの緩和時間を測定した. Na
+イオンおよび水の緩和時間は水溶液中より短く, Na
+イオンおよび水分子の運動が束縛されていることが明らかになった. 温度を変化して緩和時間を測定したところアレニウスの関係を示したので, 運動の活性化エネルギーを求めた.
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