1, 2-シンヂオタクチックポリブタジエン (SPB) と乾性油混合物の空気酸化架橋物の構造を, 結晶性高分子の表面反応の見地から検討した. 乾性油 (大豆油, ボイル油) と, SPBは部分相溶性がある. したがって, その固体混合試料は, SPBの結晶相と混合物の非晶相から構成されている. このような混合物ィルムを空気中に放置すると, 表面から酸素が拡散し, 乾性油部分にペルオキシドが生成して分解し, これと同時にSPBが架橋する. 力学的には, ゴム状から硬いタフなプラスチック状に変化する. この架橋反応は, 主に酸素の拡散に有利な非晶域で進行するが, 表面で硬化が起こると酸素の拡散が制約され内部の架橋反応が制限される. この架橋生成物は, 表面付近部分のみが硬化し内部が柔軟な, 耐摩耗性と耐汚染性のある床材となる可能性がある.
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