大型廃タイヤ, 小型廃タイヤを過酸化水素 (H
2O
2) /ギ酸混合溶液で酸化分解を行い, 酸化分解生成物の性状を特定するとともに, 各種定量を行い廃タイヤ中に含まれる化合物について検討した。その結果, 最適酸化分解条件は試料2.0gに対し, H
2O
210mL, ギ酸20mL, 60℃, 1時間ないし2時間であった. 得られた酸化分解生成物を, 赤外吸収スペクトル測定および各種定量を行ったところ, 酸化分解は, 廃タイヤ中のゴム分の二重結合が, H
2O
2/ギ酸系により生成される過ギ酸により酸化分解され, ヒドロキシル基やカルボニル基, カルボキシル基, 活性酸素, 硫黄を含む低分子量体であることを確認した. また酸化溶出せず残存するわずかのゴム質と高級脂肪酸を加熱処理して除去した残渣は, カーボンブラックであった.
抄録全体を表示