可溶性バナジウム錯体V (mbd)
3/ジエチルアルミニウムクロリド系触媒によって, プロピレンのリビング重合が進行する. このリビング重合中に種々の極性モノマーを添加すると, これらのモノマーがポリプロピレンの末端に導入され, 官能基を有するポリプロピレンを合成することができる. この極性モノマーにおいて, 速度論的検討を行い, エチレングリコールジメタクリレート (EGMA), グリシジルメタクリレート (GMA), スチレン (St), ジビニルベンゼン (DVB) に関して, 導入反応の速度を決定する定数が求められた. この定数から, 導入量を確実に制御するための反応条件が得られた. さらに, メカニズムの推定を行い, 導入反応において, メタクリル酸誘導体やスチレン誘導体などのモノマーの種類によらず, 導入反応のメカニズムは同様であることが明らかとなった. その導入反応において, 第1ステップではモノマーがV重合活性点に配位し, 第2ステップで, 配位したモノマーがポリマー末端に結合していくものである.
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