シクロペンタジエニルバナジウム錯体 (CpV錯体) を触媒として, シス含有率が90%前後, ビニル含有率が10%前後のポリブタジエン (PB) が得られることが見いだされ, 報告されてきた. このPBは耐衝撃性ポリスチレン (HIPS) のグラフトゴム用途に適していると考えられ, 工業的に興味深い材料である. 本研究では, CpVCI
3-Ph
3C [B (C
6F
5)
4] -Et
3A1-H
2O触媒系において, 連鎖移動剤として水素を用い, 気液平衡を利用した分子量制御方法を適用した場合の, 連続重合設備における重合活性種濃度および重合速度式を求めた. 重合活性種濃度から活性種効率を求めると, 20~30%であった. また, 数平均分子量 (
Mn) はモノマー濃度, 触媒活性種濃度にそれぞれ1次に依存し, 水素濃度に-1次に依存することが明らかになった. さらに, 触媒活性種の寿命について測定を行った. これらの結果を用いて, 重合シミュレーションについても検討した.
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