ブロモ鉄(III)[メソテトラ(3-チエニル)ポルフィリン]([FeBr(ttp)])に 1-メチルイミダゾール(Im)を軸配位させ,6 配位錯体を形成させた.これをグラッシーカーボン電極上に電解重合により修飾し,Fe ポルフィリン修飾電極を作製した.この修飾電極は活性酸素種(ROS)の一種であるスーパーオキシドアニオンラジカル(O
2-•)の検出に利用でき,O
2-• センサーとして働く.本研究では,この O
2-• センサーを用いて,ポテンショメトリーによる O
2-• の定量検出を行った.測定系において O
2-• を発生させると,電位は卑方向へとシフトした.続いてスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を添加すると O
2-• 発生前の電位に戻ることより,O
2-• を定性的に検出できることが示された.また,ポテンショメトリーによる O
2-• の検出はネルンスト式に従うため,O
2-• を定量的に検出できることが明らかとなった.さらに,妨害物質となりうる過酸化水素(H
2O
2)や尿酸を添加しても電位のシフトはほとんど観測されず測定対象とならないことから,選択度の高い測定法であることが明らかになった.特にアンペロメトリーでは測定が難しい極めて低い O
2-• 濃度(7×10
-7 M)でも検出可能であることが示された.
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