4-メチル安息香酸-4′-ニトロフェニルエステルを開始剤,リチウムヘキサメチルジシラジドを塩基として用いて,ビチオフェンを π 共役系として有する 4-(
N-オクチルアミノ)-3-(2′-(5′, 2″-ビチエニル))安息香酸フェニルの連鎖重縮合を行った.
N,
N,
N′,
N′-テトラメチルエチレンジアミンを添加して加熱することにより,モノマー消費を促進することができた.GPC 測定からポリマーの数平均分子量は 3600 であり,
1H NMR スペクトルから約 6 量体であると算出され,MALDI-TOF-MS スペクトルから両末端構造を決定した.別途モデル化合物として 4-(
N-オクチル-
N-ベンゾイルアミノ)-3-(2′-(5,2′-ビチエニル))-
N′-メチルベンズアニリドを合成し,ポリマーとともにクロロホルム溶液中で光学スペクトルを測定した結果,モデル化合物に比べてポリマーの極大吸収波長のブルーシフト,極大発光波長のレッドシフトが観測された.クロロホルムとメタノールの混合溶媒中でポリマーの発光スペクトルを測定した結果,メタノールの割合が増加するにつれて強いエキシマー発光が観測された.励起状態において,クロロホルム中とメタノール中では高分子鎖が異なるコンホメーションをとっていることが示唆された.
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