高分子論文集
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68 巻, 5 号
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総合論文
  • 早野 重孝, 角替 靖男
    2011 年 68 巻 5 号 p. 199-209
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    立体特異性開環メタセシス重合に有効な新規 Mo, W 系錯体触媒を開発し,環状オレフィンの重合における配位子と立体選択性の関係について検討した.また,得られた開環重合体およびその水素化物のミクロ構造と物性について明らかにした.endo-dicyclopentadiene の重合においては,かさ高いビフェノラート配位子がアイソ特異性重合に,立体的に小さなイミド配位子がシンジオ特異性重合に有効であった.水素化 poly(endo-dicyclopentadiene)は,従来アタクチックの場合には非晶質(Tg=100℃)であったが,アイソタクチック/シンジオタクチックでは結晶性(Tm = 260~280℃, wc = 20~30%)の樹脂となった.norbornene と tetracyclododecene について立体特異性重合を行い,水素化物の立体構造と物性の関係について検討した.endo-dicyclopentadiene の触媒的ブロック共重合を行い,結晶/非晶セグメントをもつステレオブロックコポリマーの性質を明らかにした.
  • 塩月 雅士, 尾西 尚弥, Jesus RODRIGUEZ CASTAÑON, 増田 俊夫, 三田 文雄
    2011 年 68 巻 5 号 p. 210-222
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    置換アセチレン化合物の精密重合を達成する新規後周期遷移金属触媒についてまとめた.筆者らは,これまで置換アセチレン重合に用いられるロジウム触媒について,電子求引性ジエン配位子である tfb(テトラフルオロベンゾバレレン)を配位子として錯体に導入することでその触媒活性が著しく向上することを報告している.今回,新たにこの tfb 配位子を双性イオン型およびカチオン性ロジウム錯体に導入することでそれぞれの触媒の高活性化を達成した.とくに,後者のカチオン性ロジウム錯体を触媒に用いる系では,共触媒としてアミンを添加することによりフェニルアセチレン類がリビング的に重合することを明らかにした.具体的には,カチオン錯体[(tfb)Rh(PPh3)2]BPh4 に 10 当量の iPrNH2 を添加した溶液に,モノマーのフェニルアセチレン類を加えるとリビング重合が進行し,分子量および主鎖立体構造の制御されたポリ(フェニルアセチレン)類が生成した.重合のリビング性は速度論的手法や多段階重合により確認された.また,本触媒により 2 種類のフェニルアセチレン類を順次重合させることで,ジブロック共重合体を合成した.一方,さまざまな置換基 R を有する錯体[(dppf)Pd(R)Br]を合成し,これを主触媒とする置換アセチレンの新規重合系を開発した.この重合系で得られるポリマーの末端には,触媒由来の種々の置換基 R が導入されることを明らかにした.得られた末端修飾ポリマーをマクロ開始剤とし,ラクトンを重合することで,ポリ(フェニルアセチレン)とポリエステルを各ブロックとするブロック共重合体を合成した.
  • 後藤 淳, 辻井 敬亘, 梶 弘典
    2011 年 68 巻 5 号 p. 223-231
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    本報では,筆者らが最近開発した,有機触媒を用いた二種類のリビングラジカル重合を紹介する.それらは,それぞれ,可逆的連鎖移動機構,および,可逆的錯体形成機構という新しい可逆的活性化機構に基づく.機能性モノマーを含む,スチレン類,メタクリレート類,アクリロニトリルの単独重合およびランダム・ブロック共重合で,分子量分布のせまい高分子が得られている.触媒には,ゲルマニウム,リン,窒素,酸素,あるいは炭素を中心元素とする有機分子を用いる.触媒は,高活性で,低毒性で,安価で,取り扱いが容易である特色を有する.本報では,重合の背景,性能,および,反応速度論的特徴を概説する.
  • 門口 泰也, 佐治木 弘尚
    2011 年 68 巻 5 号 p. 232-241
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    活性炭を担体とするパラジウム炭素(Pd/C)触媒はさまざまな官能基に対する接触還元に汎用されている.しかし,分子内に複数存在する還元性官能基のうち特定の官能基のみを選択的に還元することは困難である.筆者らは絹より単離された天然ポリマーであるフィブロイン(Fib)と窒素性塩基を多数有する人工ポリマーであるポリエチレンイミン(PEI)にパラジウムを担持することで,アミンや硫黄化合物など触媒毒の添加を必要としない,すなわち,担体の物性に基づく官能基選択的接触還元触媒(それぞれ Pd/Fib および Pd/PEI)を開発した.Pd/Fib を触媒とすると,分子内に存在する芳香族カルボニル基,ハロゲンおよび N-Cbz 保護基およびベンジルエステルを保持したまま,アルケン,アルキンおよびアジドの選択的還元が進行する.一方,Pd/PEI は従来法では困難であった一置換アルキンを含むアルキン類のアルケン類への選択的部分水素化を効率良く触媒する.本報ではこれら一連の触媒特性について概説する.
  • 尾曲 雄司, 門川 淳一
    2011 年 68 巻 5 号 p. 242-249
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    本報では,グルコース 1-リン酸塩(Glc-1-P)のホスホリラーゼ酵素触媒重合によるアミロース生成を利用して,近年筆者らが展開してきたアミロース含有複合多糖の合成について紹介する.化学反応により,Glc-1-P の重合を開始するために必要なマルトオリゴ糖を主鎖となる多糖(キトサン,アルギン酸,セルロース)に導入し,続いてホスホリラーゼによる Glc-1-P の重合を行うことでアミロースグラフト化キトサン,キチン,セルロースおよびアルギン酸を得ることができた(化学-酵素法).また,グリコーゲンからのホスホリラーゼを触媒とする Glc-1-P を用いた糖鎖伸長反応を行うことでグリコーゲンを基盤とする多糖材料の創製が達成された.
  • 八尾 滋
    2011 年 68 巻 5 号 p. 250-256
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    メタロセン系触媒系において,助触媒も含めた系に対して分子動力学計算を行い,主触媒-助触媒が取る最安定構造を求めた.この主触媒と助触媒の立体的な構造因子および相互作用力を用いることで,メタロセン系触媒の活性が解析できることを見いだした.また同様の手法で,チーグラー・ナッタ系触媒に関しても,主触媒と外部ドナーの取る安定構造を求め,やはり立体的な構造因子と相互作用力を用いることで,活性が解析できることを見いだした.本手法は非常に簡便であるために,触媒設計に有効に利用できると考えられる.
      またこれらの解析の結果,重合触媒の活性は主触媒と助触媒あるいは外部ドナー間の立体的な相互位置が離れているほど,また相互作用力が小さいほど高くなることを見いだした.これは重合ではモノマーの挿入と生成したポリマーの離脱が容易であることが重要な要素であることを示唆している.
  • 押村 美幸, 高須 昭則
    2011 年 68 巻 5 号 p. 257-270
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では,触媒の回収方法の簡便化,反応時間短縮および触媒量の低減を目指し,希土類ルイス酸またはパーフルオロアルカンスルホンイミドを触媒に用いた ε-カプロラクトンの開環重合について検討した.ポリスチレン樹脂に担持したスカンジウムトリフルオロメタンスルホネート触媒を用いて重合を行ったところ,温和な条件でリビング的に重合反応が進行することが見いだされた.重合後触媒は定量的に回収可能でき,活性が保持されていた.また,イオン液体中でセルロースのヒドロキシル基を開始点に用いて重合を行うことで,1 段階でセルロース/ポリカプロラクトングラフト共重合体を得た.スカンジウムパーフルオロアルカンスルホンイミド,およびその配位子であるパーフルオロアルカンスルホンイミドを触媒に用いた系では,重合反応は速やかに進行し,重合時間短縮,触媒量の低減・回収を達成した.反応速度定数,活性化ギブス自由エネルギーを算出し,高い触媒活性が確認された.
  • 松本 謙一郎, 田口 精一
    2011 年 68 巻 5 号 p. 271-280
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    ポリ乳酸は,透明性に優れ,現在最も使用されているバイオマス由来プラスチックであり,石油を原料として合成されるプラスチックの代替材料として期待されている.通常ポリ乳酸は,乳酸発酵によって得た乳酸から重金属触媒を使用した化学的重合によって合成されるが,筆者らは微生物が合成するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の生合成系を改変することにより,乳酸ポリマーを一気通貫のバイオプロセスで合成する新たなシステムを開発した.この技術を可能としたブレークスルーは,乳酸モノマーを重合可能な生体触媒「乳酸重合酵素」の発見であった.乳酸重合酵素は,乳酸の光学異性体を認識する高い特異性をもつため,非常に光学純度の高いポリマーが合成できる.加えて,本酵素により合成される乳酸ポリマーは,PHA モノマーとの共重合化によって,透明性と柔軟性を兼ね備えた多様な物性を示し,これまでポリ乳酸の欠点とされていた柔軟性の低さを克服した新たなバイオポリマーとしての利用が期待される.
  • 桑原 純平, 神原 貴樹
    2011 年 68 巻 5 号 p. 281-288
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    遷移金属触媒を用いた炭素-窒素結合形成反応を重縮合反応に応用することで,ポリアニリン類縁体やトリアリールアミン骨格を有する高分子を簡便に得ることができる.種々の条件の中でも,Pd と組合せる配位子が重合の効率に強く影響を及ぼすため,目的とする高分子の構造に合わせて適切な配位子を選択することが重要である.これまでの検討から,二級アミン部位を有するポリアニリン類縁体の合成においては BINAP が適しており,三級アミンであるトリアリールアミン骨格を主鎖に有する高分子の合成においては PtBu3 が最適であることを見いだしている.一方で,炭素-リン結合形成反応も重縮合反応に応用することができ,主鎖にキレート型のリン配位子を導入した高分子を合成することができる.この高分子に Pd を導入することで薗頭-萩原反応などを進行させる担持触媒となり,再沈殿によって回収と再利用が可能であることを明らかにしている.
  • 大内 誠, 澤本 光男
    2011 年 68 巻 5 号 p. 289-306
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    金属錯体を触媒とするリビングラジカル重合において,触媒サイクルを促進させて触媒活性を向上させることは,用いる金属錯体量および生成ポリマー中の金属残渣量の低減につながるために重要である.筆者らは,触媒サイクルの促進には,炭素-ハロゲン結合の可逆的活性化に伴って起こる「配位子脱離による真の活性錯体への動的変換」と,「高酸化錯体から低酸化錯体への動的変換」の制御が重要であると考え,これらに着目した触媒設計を検討してきた.その結果,ルテニウム錯体の触媒活性は著しく向上し,触媒量の錯体を用いて,幅広い極性基を有する機能性モノマーの重合制御,水中重合制御,さらに助触媒を必要としない重合制御が実現した.また,高分子量体の合成やブロック共重合など,重合後期まで触媒活性の維持が重要となる重合に対しても,触媒量の錯体を用いた精密制御が可能になった.また,鉄とニッケルの錯体に対しても,錯体の動的変換に着目することで,従来錯体に比べて著しく触媒活性を向上させることに成功した.
  • 佐川 尚
    2011 年 68 巻 5 号 p. 307-314
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    ゾルゲル法により酸化チタンナノ微粒子を作製し,ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム塩化物)とポリ(ビニル硫酸カリウム)を併用した交互積層法による石英ガラス基板表面へのナノ微粒子の固定化を行い,メチルビオローゲンを電子メディエーターとする光誘起電子移動プロセスと,リポアミドデヒドロゲナーゼの酵素反応を組合せた酸化型補酵素ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元への応用を検討した.さらに酸化チタンの表面をモレキュラーインプリンティング法で加工したナノ微粒子は,分子認識キャビティにおいて,ビオローゲン誘導体の基底状態の形状を選択的に識別することにより光還元反応を促進し,反応効率の向上に効果的に関与していることが示唆された.また,ポリビニルピロリドンとチタニウムアルコキシドからエレクトロスピニング法を経て酸化チタンファイバーを作製すると,均質かつ結晶性の高い一次元ナノファイバーが得られ,水素発生用光触媒として利用したところ,市販の酸化チタンナノ微粒子を凌駕する触媒活性が得られた.
一般論文
  • 野中 寛, Hidayah ARIFFIN, 舩岡 正光
    2011 年 68 巻 5 号 p. 315-319
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    セルロース系バイオマスの酵素糖化において,セルラーゼコストの低減のため,セルラーゼの回収再利用や固定化技術の進展が望まれる.固定化担体としては,化学修飾せずとも物理的吸着のみで酵素が強く固定され,かつ,酵素固定量が大きく,再生可能な担体素材の開発が期待される.ヒノキ木粉と p-クレゾールを原料として,相分離系変換システムによって誘導されたフェノール系高分子リグノクレゾールに,混合かくはんのみで Trichoderma reesei 由来の市販セルラーゼを吸着させて,固定化セルラーゼを調製した.固定化量は,セルラーゼ濃度増大とともに増加し,100 mg/g-lignocresol 以上に達した.固定化量が少ないほど単位セルラーゼ重量当たりの活性は低いが,最大でフリーのセルラーゼの約 60%の活性を示した.セルラーゼは酢酸緩衝液中でわずかに脱落したが,おおむね良好な安定性を示した.
  • 井上 洋, 高田 仁, 村山 雅美
    2011 年 68 巻 5 号 p. 320-325
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    超純水中に含まれる数十 μg/L の過酸化水素を分解するパラジウム担持モノリス型アニオン交換樹脂(Pd-M)を合成した.触媒担体となるモノリス型アニオン交換樹脂には四級アンモニウム基をイオン交換基にもち,網目状の連続多孔構造を有するスチレン-ジビニルベンゼン共重合体を用いた.EPMA および TEM の結果から,粒径 50 nm のパラジウム微粒子が,モノリス骨格の表層に均一に担持されていることを確認した.Pd-M の過酸化水素分解速度は,パラジウム担持粒子状アニオン交換樹脂の過酸化水素分解速度に比べて体積あたり約 10 倍大きかった.高流速条件でも Pd-M の充填量を増やすことで,超純水中の過酸化水素濃度を 1 μg/L 以下にすることができた.
  • 外崎 究, 谷池 俊明, 寺野 稔
    2011 年 68 巻 5 号 p. 326-331
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    Phillips 触媒によって合成されるポリエチレン(PE)の特徴的な物性を生み出す分岐構造と分子量分布が生じる要因を解明することを目的として,実験的および理論的な検討を行った.
      重合反応条件および触媒構造の双方の観点より分岐生成量の制御因子について検討したところ,生成する PE のメチルおよびブチル以上の分岐構造が,生成する PE の収量に依存することが明らかになり,さらに in situ で生成するコモノマーの挿入が重要であることが示された.とくに,メチル分岐生成に関連するプロピレンの生成には,クロム種の多核構造が重要であることがわかった.一方,一様な核構造を有するモデル触媒上においても広い分子量分布をもつ PE を生成し,分子量分布に対するクロム種の配位環境の不均一性の寄与が示唆された.このような担体表面の複雑さ故に生じるクロム種の配位環境の分布が重合特性に与える影響について第一原理計算による検証を行ったところ,活性クロム種における配位子の存在およびその位置が,生成する PE の分子量に大きく影響を与え,それにより広い分布を生じることが明らかになった.
  • 福田 晋也, 松村 秀一
    2011 年 68 巻 5 号 p. 332-340
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    グリーンプロセスとして酵素触媒重合法を用い,ジカルボン酸とジオールより環状オリゴマーを経由することで,重量平均分子量十万程度の芳香族ポリエステルを得た.テレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチルとアルカンジオールのリパーゼを用いた環化反応により環状オリゴマーを合成し,ついでリパーゼを用いた開環重合により,ジカルボン酸ユニットに芳香環を有する一連のポリエステルを得た.同様に,アジピン酸ジメチルとベンゼンジメタノールのリパーゼを用いた環化反応および開環重合により,ジオールユニットに芳香環を有する一連のポリエステルを得た.合成した芳香族ポリエステルはリパーゼにより再重合性を有する環状オリゴマーに変換されることから,ケミカルリサイクル性が認められた.芳香環の置換基の位置およびメチレン鎖長を変化させることで幅広い熱特性および機械特性を有するポリマーが得られた.
ノート
  • 西井 圭, 塩野 毅
    原稿種別: ノート
    2011 年 68 巻 5 号 p. 341-344
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    Propylene polymerization was conducted with ansa-monocyclopentadienylamidodimethyltitanium complexes ([(η1-t-BuN)SiMe2(Cp)]TiMe2, Cp = C5Me4, 1; C9H6, 2) in heptane as solvent at 0°C in the presence of dried modified methylaluminoxane (dMMAO), from which free Me3Al and iBu3Al were reduced to ca. 0.1 mol%. The effects of cyclopentadienyl ligands on propylene polymerization were investigated under atmospheric pressure of propylene in a semi-batch system where the polymerization rate was followed by the amount of propylene consumed. System 2 showed almost the same consumption rate as that of system 1 in the initial stage, but the rate gradually decreased with increasing polymerization time. In contrast, the rate of system 1 gradually increased during the polymerization. The produced polymer in system 1 had high molecular weight (Mn = 143,600) and relatively narrow molecular weight distribution (Mw/Mn = 1.31). Furthermore, the number-average molecular weight of the polymer linearly increased in proportion to the polymer yield with keeping the number of polymer chains constant. Thus, it was found that quasi-living polymerization of propylene proceeded in the 1-dMMAO/heptane system. The 13C NMR measurement of polypropylenes obtained indicated that systems 1 and 2 produced syndiotactic-enriched and isotactic-enriched polymers, respectively.
  • 白石 幸英, 山口 淳一, 戸嶋 直樹
    原稿種別: ノート
    2011 年 68 巻 5 号 p. 345-348
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    Recently, interests in the nanoscopic materials and their applications to catalyses have greatly stimulated the research on metal nanoparticles. Self-organization of nanoparticles is also one of the most interesting concepts, because it can control the structure of nano-organized systems. In this study we report the construction of bimetallic nanoparticles by mixing two kinds of monometallic nanoparticles. The mixing of colloidal dispersions of Ag nanoparticles with those of Rh nanoparticles can produce Ag/Rh bimetallic nanoparticles, in which Ag forms a core and Rh surrounds the Ag core to form a shell. Formation of the Ag-core/Rh-shell structures was confirmed by disappearance of the surface plasmon band of Ag nanoparticles and by transmission electron micrograph (TEM) observation, including distribution analyses of elements with energy filtered-TEM. Hydrogenation of olefin, catalyzed by Ag/Rh bimetallic nanoparticles, was performed in ethanol under 1 atm of hydrogen. The Ag/Rh bimetallic assemblies showed higher catalytic activity than the Rh monometallic nanoparticles did.
  • 金岡 鐘局, 中山 信也, 青島 貞人
    原稿種別: ノート
    2011 年 68 巻 5 号 p. 349-351
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/22
    ジャーナル フリー
    The cationic polymerization of isobutyl vinyl ether (IBVE) was examined using various Lewis acids in the presence of an excess of acetylacetone (acac). With EtAlCl2, TiCl4, and FeCl3, almost no polymerization proceeded when the acac concentration was over 0.5 M. In contrast, SnCl4, ZnCl2, and GaCl3 induced polymerization even at a higher acac concentration. Interestingly, SnCl4 produced polymers with a narrow molecular weight distribution (MWD). In addition, the number-average molecular weight (Mn) of the product polymers increased proportionally to the monomer conversion. It should also be noted that the Mn of the products varied inversely with the amounts of SnCl4. These results suggested that H+, which was generated by the coordination of an acac molecule with SnCl4, is the real initiator for the polymerization.
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